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SF富士:オリベイラが上半期の不運を断ち切り今季初優勝

2016年07月17日 17:51  AUTOSPORT web

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2016スーパーフォーミュラ第3戦富士 表彰台
全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦富士は、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)がレース序盤からバトルを展開。最終的にオリベイラに軍配が上がり、今季初優勝を飾った。

 第3戦の決勝日は、午前こそ灰色の雲がサーキット上空に広がりウエットコンディションとなったものの、サポートレースが行われる間にコンディションが急激に回復。スーパーフォーミュラの決勝レースは今週末で初めての完全ドライコンディションで行われた。

 ポールシッターのストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は抜群の飛び出しを見せるも、1コーナーでオーバーラン。さらに、バンドーンにイン側から並びかけていた石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)もアウト側に膨らんでしまう。この隙をついて3番手グリッドのオリベイラがトップに浮上した。

 2番手に続いたのは6番手スタートの一貴。以下、ベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING)、バンドーン、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、石浦というトップ6で序盤は展開していく。オリベイラは早々にペースアップし、3周目を終えた時点で一貴に1.5秒差をつけたが、直後にオーバーラン。ここで一貴に逆転を許してしまう。

 トップに立った一貴はひとり1分26秒台前半のタイムを並べて、後続を突き離しにかかる。追いかけるオリベイラも26秒台に乗せるが、両者の差は少しずつ開き、13周を終えた時点で3.4秒差まで広がった。

 ところが、14周目に国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が1コーナーでスピンし、コース上にストップ。車両回収のためセーフティカーが導入される。そして、このタイミングで各車が続々とピットへなだれ込み、給油作業のみでピットアウトしていく。全車がピットアウトすると、一貴、オリベイラ、バゲット、バンドーン、関口、ジェームス・ロシター(FUJI CORPORATION KONDO SF14)というオーダーとなる。

 セーフティカーは19周終わりで退出し、レースは20周目からリスタート。再開後はオリベイラもペースを上げて、一貴と2秒前後のギャップで周回を重ねていく。その後方では、バゲットとバンドーンの3位争いも激化していく。

 さらにファンを沸かせたのは、ロシターを交わし6番手に上がっていたアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)と関口による激しい5位争いだった。両者は互いにオーバーテイクシステムを使いながら、1コーナーで攻防を繰り広げてるが決着がつかず。レース折り返しをすぎると、両者が3位争うに追いつき、バゲット、バンドーン、ロッテラー、関口による表彰台争いへ発展していった。

 この争いをリードするバゲットは、いったんはバンドーンとの差を1秒以上へ広げたものの、レース残り15周に差し掛かったころからペースダウン。これに詰まる形でタイムを落としたバンドーンを、関口が46周目のダンロップコーナーでパス。その翌周にはバゲットも交わして関口が3番手に浮上する。バゲットは関口に交わされたタイミングで失速し、一気に6番手までポジションダウン。その後ピットへと戻ったが、そのままリタイアしている。

 バゲットが戦列を離れたことで、3番手に関口、4番手にロッテラー、5番手にバンドーンとなるが、47周目、1コーナーのブレーキングで挙動を乱したバンドーンはフロントタイヤから黒煙を上げながらコースオフ。1コーナー奥のグラベルエリアまでマシンがストップし、リタイアとなった。 

 目まぐるしく順位の入れ替わる3位争いに呼応するように、前方のトップ争いも激化。じわじわと一貴との差を詰めていたオリベイラが、48周目に一貴の背後まで迫ると、51周目のホームストレートでオーバーテイクシステムを使って並びかけ、1コーナーのブレーキングでオーバーテイク。ふたたびトップへ返り咲いた。

 その後、オリベイラは一気に一貴を突き離して、最終的に2.8秒差でトップチェッカー。今年上半期の不運を振り払う今季初優勝を飾った。

 また、関口とロッテラーによる3位争いは、ロッテラーの度重なる猛攻をしのぎぎった関口に軍配。SFデビュー3戦目で表彰台を手にし、チームにダブル表彰台をもたらしている。