2016 SUPER FORMULA
P.MU/CERUMO・INGING Race Report
第3戦 富士スピードウェイ
◆7月16日(土) 天候:雨のち曇り | コース状況:ウェット
2016年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦が富士スピードウェイで開催され、P.MU/CERUMO・INGINGは石浦宏明が予選2位でフロントローポジションを獲得。国本雄資はQ2で思ったようなアタックができず、13位となった。
週末の富士スピードウェイは、不安定な天気となった。マシン搬入と専有走行が行われる金曜日は、午前中にスコールのような集中豪雨に見舞われたかと思うと、昼間には青空も見えるほどに回復。午後になると再び雨が降りだし、スーパーフォーミュラの専有走行はウェットコンディションから徐々に路面が乾いていく中でのセッションとなった。このセッションで、P.MU/CERUMO・INGINGは石浦がトップタイムをマーク。国本は9番手タイムを記録した。
一夜明けた予選日も、朝から分厚い雲がスピードウェイの上空を覆っていた。霧雨の舞う中、フルウェットコンディションで行われたフリー走行では、石浦が6番手、国本は17番手にとどまったが、路面状況は次第に回復。スーパーフォーミュラの予選が始まる直前に再び雨が降ったことで、Q1はウェットコンディションでのスタートとなったが、セッション序盤に雨はやみ、徐々に路面が乾いていく中で予選が進められていった。
全19台の中から14台に絞られるQ1。続々とマシンがコースへと進んでいく中、石浦は他車との間隔をあけるようにタイミングをずらしてコースイン。1分47秒373からタイム計測が始まった。翌周には約2秒タイムを削り5番手にポジションアップ。国本も同じタイミングで1分45秒台を記録し石浦に並ぶ。2台は1分44秒台までタイムを削るとピットに戻り、最後のアタックの応酬に備えた。残り時間が7分を切ったところで、各車が再びコースイン。自己ベストタイムを更新していくマシンが出てくる中、石浦、国本の2台は、ベストタイム更新はならなかったが、それぞれ5番手、9番手でQ2進出を決定した。
上位8台がポールポジション争いへと駒を進めることができるQ2では、石浦が速さを見せた。若干空が明るくなり、次第に路面の水も減っていく中、1分43秒234からタイム計測が始まった石浦は、翌周に1分42秒833までタイムを削りトップ浮上。他のドライバーにタイムを破られることなく、トップタイムでQ3進出を決めた。一方の国本は、2周目のアタックで他車に引っ掛かり、わずかに失速してしまう。間隔をあけて最後のアタックに臨むも、自己ベストタイムを更新できず13番手となり、Q3進出を逃すこととなった。
Q3では、コース上に乾いたラインが見えるほどにコンディションが回復した。石浦は真っ先にコースインすると、計測1周目からプッシュ。他のドライバーが計測3周でチェッカーを受ける中、4周目のチャンスを手にした。この時点で4番手となっていた石浦は、セクター1、2で全体のベストタイムを上回ったが、最後のセクターで一歩及ばず。2戦連続のポールポジションは叶わなかったものの、1分41秒050まで自己ベストタイムを更新し、フロントローグリッドを手に入れることとなった。
ドライバー/#1 石浦 宏明
「午前中、路面に水がある状態でレインタイヤを使いこなすのが難しかったですね。雨の強い時はクルマの状態が合わないのかと、エンジニアと悩みましたが、それでも予選に向けてマシンをアジャストしてくれたチームに感謝しています。実際、走り出してみるとフィーリングも良く、ポールポジションを狙える感触でした。敗因は、最後のアタックのセクター3で乾いたラインを見つけられなかったこと。富士初走行だったストフェル・バンドーン選手がポールポジションを獲れたことは素直にすごいと思いますが、非常に悔しい予選でした。自分に足りなかった部分は分かったので、明日は負けないように頑張ります」
ドライバー/#2 国本 雄資
「Q2からQ3に向けてセット変更をしていきましたが、タイムの伸び悩みはそれが原因というわけではなく、クルマの現状としては、今日はあそこがマックスでした。Q3に向けて、クルマの状態を完璧に合わせることができなかったというのが要因ですね。今のスーパーフォーミュラの予選は、特に岡山では去年も本当に僅差でしたが、簡単に2つ3つポジションが変わってしまうような、少しも気が抜けないセッションだと改めて感じました。なので、まずは明日に向けて、抱えている問題をしっかりチームに分析してもらい、僕自身もいい走りをしないといけないと思います。ポジション的には7番手と悪くはない位置なので、明日はスタートを決めて最後まで走り切って、予選よりもいいポジションでゴールしたいですね」
監督/立川 祐路
「石浦は、開幕戦では不運な予選で後方に埋もれ、思うようなレースができませんでしたが、今回はきちんと実力を結果につなげられましたね。トラフィックや混乱に巻き込まれないようにだけは注意して気を使いましたが、それ以外は安心して見ていられました。今の石浦にとって、これぐらいの結果は普通。チームとしてもそれぐらいの意識でやっていますから、Q1からQ3まで全てトップで終われたのは、チームの皆を含めて完璧な仕事をしてくれたからだと思います。
国本も、クルマを詰めきれずに少し伸び悩んだ部分はありますが、そんな中でも最後のセッションまで残りました。開幕戦では予選2番手でしたし、偶然の結果ではなく、安定して力がついてきている証拠でしょう。クルマも良くなっています。今回は2台揃って上位につけることができました。明日はさらにいい結果につなげられるよう、チーム全体で頑張っていきたいと思います」
総監督/浜島 裕英
「石浦は、開幕戦の悔しい思いをまずは予選結果で振り払ったというところでしょうか。ものすごく僅差になる予選で、2番手に0.2秒という差をつけたのは大したものです。国本もQ3の結果は少し残念ですが、たとえばアタックのタイミングや走り方など、少し修正できればトップ争いも可能なのではと思います。明日は午後に雨の予報が出ているので、難しいレースになるかもしれませんが、確実に自分たちの仕事をしていけば、いい結果が出せるという風に考えています。2台揃って上位争いをするというのが目標。というより叶えなければならないミッションでしょうね」