2016スーパーフォーミュラ第3戦富士 小林可夢偉(SUNOCO Team LeMans) 2016年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦富士。小林可夢偉(SUNOCO Team LeMans)は僅差でQ3進出を逃し9番手。またしても予選で不本意な結果に終わった可夢偉は、マシンを降りると悔しげな表情をみせた。
午前中のフリー走行では2番手以下に1.2秒もの大差をつける速さでトップタイムを記録した可夢偉だが、そこには“カラクリ”があったという。当該ラップで、可夢偉はダンロップコーナーをショートカットするような形でコースオフ。そのまま走行した結果、1分44秒992というトップタイムが記録されたというのだ。
本来であれば、コーナー不通過でタイム抹消となるはずだが、基本的にフリー走行は正式に順位が認定されるものではないこともあってか、そのままリザルトに採用されたようだ。このタイムが抹消されていても、可夢偉はフリー走行2番手だったストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に匹敵する1分46秒台のタイムを何度か刻んでおり、ウエット路面で力強い走りをみせていたことは間違いない。
そして迎えた公式予選、一時は雨も止み、ドライコンディションでスタートするかと思われたが、直前になって雨が降り出し、ウエットコンディションに。比較的雨量が多く難しい展開となったQ1では6番手タイムを記録し、楽々とQ2進出を決めてみせた。
しかし、Q2までのインターバルで雨も上がり、路面上の水量も少なくなっていった。可夢偉は、この状況下でマシンのパフォーマンスを引き出しきれず、8番手と0.055秒差の9番手。僅差でQ2敗退という悔しい結果となった。
予選を終えた可夢偉は、開口一番「ダメでしたね」ときっぱり。「水量が多い時はバランスが良かったんですが、少なくなり始めたら、まったくうまくいきませんでしたね。昨日も同じように乾き始めの路面でタイムを出せていなかったので、コンディションにマシンを合わせきれませんでした」と振り返る。午前中のセッションで手応えを感じていただけに、鈴鹿、岡山でも見せなかったほど悔しい表情をしていたのが印象的だった。
前回の岡山でも予選Q1敗退と苦い結果に、レース後には「方向転換する」と宣言。今までの8号車と比べるとマシンセッティングを大幅に変えて臨んできたというが、「マシンは大幅に変えてきました。でも、さすがに今回の天気ではまだ検証はできていません」とコメントするに留まった。ウエット路面でセッティング変更の効果を測るのは難しいだろうが、明日に関してはドライコンディションとなる可能性もあり、午前中に行われる30分間のフリー走行でどのようなパフォーマンスを発揮するかが注目したい。
スーパーフォーミュラ参戦2年目ということで周囲から高い期待を寄せられている可夢偉。その期待になかなか結果で応じることができず、歯がゆさを感じているようだ。しかし、明日の決勝がドライコンディションとなり、岡山から「方向転換」したというマシンセッティングがうまく機能すれば、大逆転で上位に上がってくる可能性もある。ここまでの悪い流れを断ち切ることができるか、可夢偉にとって正念場の決勝レースとなりそうだ。