トップへ

ホンダ甘口/辛口ダブル評価 オーストリア&イギリスGP編

2016年07月16日 14:51  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

2016年F1第9戦オーストリアGP、6位に入賞したジェンソン・バトン
「サインツJrのトロロッソと、ウイリアムズの2台、そしてフォース・インディア勢と戦って実力でQ3へ行けるスピードを確認することができたのは良かった」

 ホンダの長谷川祐介総責任者は、イギリスGPの予選をそのように評価した。F1のエンジニアたちは、マシンそのもののポテンシャルを推し量る手段として、予選のパフォーマンスを重視する。レースではマシンそのもののポテンシャルを100%出すことより、前後を走るマシンのペースを見て、最終的にいかに早くフィニッシュするかというピットストップ戦略の駆け引きが大切になってくる。その点、1周のアタックタイムによって順位が決まる予選は、ライバルたちとの相対的な関係が鮮明となる。

 その予選で、ホンダは第5戦スペインGPから第10戦イギリスGPまでの5戦で4度トップ10以内に入り、Q3へ進出している。第5戦スペインGP、第6戦モナコGP、第7戦カナダGPではアロンソがともに10位。第8戦ヨーロッパGPでQ3進出を逃したものの、第9戦オーストリアGPではジェンソン・バトンが雨がらみとはいえ、マクラーレン・ホンダとして予選最高位となる5位を獲得。そして、第10戦イギリスGPではフェルナンド・アロンソが10位に入った。


 イギリスGPの予選は、Q3の最後のアタックで、アロンソはウイリアムズのバルテリ・ボッタスにコンマ1秒差に迫る1分31秒687をマークし、一時8番手につけたが、このときアロンソはコースをはみ出していたとしてタイムを抹消されての10位だった。アロンソが降格して代わって8番手につけたトロロッソのカルロス・サインツJr.のタイムが1分31秒989だったから、アロンソがコースをはみ出していなければ、サインツJr.の前のポジションを獲得していただろう。

 冒頭のコメントのように、現時点でマクラーレン・ホンダのライバルは、ウイリアムズ、フォース・インディア、トロロッソ、そしてハースである。そのうち、マクラーレン・ホンダとQ3争いを演じているのは、ウイリアムズ、フォース・インディア、トロロッソの3チームだ。この3チームの第5戦スペインGPから第10戦イギリスGPまでの5戦の成績を見ると、じつはチームとして5戦全てQ3に進出しているのはフォース・インディアのみで、ウイリアムズとトロロッソもマクラーレン・ホンダ同様、Q3進出は5戦中4回なのである。

 イギリスGPで、後半戦の目標を尋ねられた長谷川総責任者は、こんな抱負を述べた。
「今シーズンの開発に関して言えば、レッドブルと争いたいので、少なくともウイリアムズは凌駕できるぐらいまで進化させたい。次のアップデートで、なんとかそれを達成したい」

 セカンド集団を飛び出し、トップ集団へ入るためには、カギを握るのが残り10トークンを使用したパワーユニットの開発であることは間違いない。果たして、ホンダはいつアップデートしたパワーユニットを投入してくるのか。ホンダの今後の成長が楽しみな今年の夏である。

ホンダ辛口コラムはF1速報で掲載中!
ホンダ辛口コラム:予選ベストリザルト達成も、突きつけられた現実