シルバーストンでのF1合同テスト2日目最終日、マクラーレン・ホンダはリザーブドライバーのストフェル・バンドーンにより順調にテストを進めた。約2カ月ぶりにマシンに乗ったバンドーンは、進歩を感じたと述べている。
初日はフェルナンド・アロンソがステアリングを握り、1分31秒290で全体のトップとなったマクラーレン・ホンダ。2日目となる13日はバンドーンが作業を引き継いだ。
最終日のプログラムは、前日に続き、空力のシミュレーターとの相関精度の確認、セットアップ変更、パワーユニットの機能性およびシステムのチェック、タイヤコンパウンドのテストという内容だった。
昼過ぎに雨が降ったものの、その後ドライコンディションになり、バンドーンはショートランを繰り返して多数のセットアップやバランスを試し、ロングランでタイヤとパワーユニットのパフォーマンスをチェックした。
バンドーンはトラブルなく114周を走り切り、1分31秒764の自己ベストタイムで11人中5番手となった。
「とても順調な一日だった」とバンドーン。
「午前中の空力テストに始まり、何度かいい走行ができた」
「さまざまな新しいシステムをテストした。インシーズンテストの最後の日だったから、やるべき項目はたっぷりあった。空力とセットアップもそうだし、パワーユニット関係の作業もあった」
「雨の影響はさほど受けなかった。ドライコンディションの時間帯を最大限に利用して走った。マシンの感触はポジティブで、すぐにプッシュすることができた。数カ月ぶりに走ってそれができるのはいい気分だよ」
「イギリスGPの週末に発生したいくつかの問題を解決するため、たくさんの開発作業を押し進めた。ここは一日の中で風の状態がよく変わるから、それがマシンバランスに大きな影響を及ぼす。だから作業は楽ではなかった」
「昨日雨が降ったために、幸いタイヤはたっぷり残っていたから、セットアップ変更をしながら、走りたいだけ走った。今日の作業には満足している」
今年、負傷したアロンソの代役としてバーレーンGPに出場したバンドーンは、スペインGP後の5月の合同テストにも参加。今回の走行はそれ以来の機会となった。
約2カ月ぶりにMP4-31に乗ったバンドーンは、マシンの改善をはっきり感じたと語った。
「バルセロナの時と比べると、マシンの感触が全く違う。いい意味でだ。乗り込んですぐにすごくポジティブなフィーリングを持った」
「走り出してすぐにプッシュできるというのはいいことだ。そこからよくなっていく」
この2カ月でパワーユニットは2回アップグレードされている。カナダGPに向けて2トークンを使用してターボチャージャーを、イギリスGPに向けて2トークンでICEをそれぞれ改善した。バンドーンは、向上しているのは間違いないと述べている一方で、まだ理想的な状態ではないと語った。
「前回乗ってからすごく時間がたっている。久しぶりにF1カーに乗ると、すごく速く感じるものだ」
「データから進歩は確認できている。でもまだ望むレベルには到達していないから、これからも努力していく」
「テスト中には裏でいろいろな作業が行われるものだ。空力とマシンだけでなく、エンジンに関してもそうだ。ホンダは水面下で(エンジンの向上のために)集中して取り組んでいる」