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小島梨里杏が明かす、初主演のプレッシャーと同年代からの刺激「役を生きる上で嘘はつきたくない」

2016年07月13日 20:21  リアルサウンド

リアルサウンド

(C) 2016「人狼ゲーム プリズン・ブレイク」製作委員会

 『人狼ゲーム』シリーズ最新作『人狼ゲーム プリズン・ブレイク』が現在公開中だ。本作は、原作小説&コミカライズがシリーズ累計60万部突破の「人狼ゲーム」シリーズを実写化したサバイバル・ホラー。主人公・乾朱莉が、“人狼ゲーム”を続けながら殺戮の連鎖から抜け出す方法を模索する姿を描く。本作で映画初主演を務めた小島梨里杏は、『烈車戦隊トッキュウジャー』のミオ役で注目を集め、最近では連続ドラマ『朝が来る』(東海テレビ・フジテレビ系)や『オオカミ少女と黒王子』にも出演している。リアルサウンド映画では、小島梨里杏にインタビューを実施し、初主演を飾った心境や本作を通して生じた変化を聞いた。


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■「これまでのシリーズには負けてられない」


ーー本作で初めて主人公を演じてみて、今までとどんな違いを感じましたか?


小島梨里杏(以下、小島):どんな役であっても、作品を作る上で欠かせない役割だと思っているので、全力で臨むことに変わりはありません。ただ、今回はこれまでとは違う立場だったので、スタッフや共演者の方にはいつも以上に支えていただきました。その反面、私が作品を引っ張っていかなければならないというプレッシャーも感じました。それに、今回の作品は精神的に追いつめられていくような物語でもあったので、自分を追い込んで撮影に臨みました。主演への不安や迷いを捨てて、覚悟を決めないとまっとうできないなって。


ーー実際に現場では、どんなことを意識して演技をしていきましたか?


小島:この作品の持つ空気感や緊迫感は、ひとりでは作れないので、みんなで作り上げていこうと思っていました。演技というよりも、その時に湧き上がってくるリアルな感情をぶつけ合っていました。特に死ぬ人を決める投票のシーンは、出演者のそれぞれの意見が盛り込まれていますね。監督もすべてを決め込むことはなさらなかったので、リハーサルや練習の時に感じたことを提案して、そのまま本番に反映していきました。私が演じた乾朱莉に関しては、常にやり切れないものを持っている女の子、という印象で、自分自身と重なる部分も多い役でした。彼女の弱さが強さに変わっていく様子や、生き残るための葛藤が上手く伝わればいいなと。


ーー内に秘めている想いは強いが、それを表には出せない。逆に周囲の人間に流されやすい印象を受けました。そういう部分が重なるのですか?


小島:そうかもしれませんね。強く気持ちを出すタイプではないです。もちろんやる気は常にあるんですけど、だからといってそれが強気には繋がらない。現場でも、グイグイ周りを引っ張っていくというよりも、引っ張られる方かもしれません。みんなでご飯を食べる時とかも、なんでもいいよって言っちゃいますね。


ーーこれまでの作品では、強気な女の子を演じている印象だったので意外です。


小島:強気な女の子の役を演じる時はものすごい頑張ってます(笑)。それに比べて、今回は朱莉にすごい共感できて、台本を読んでいるだけで感情移入してしまいました。特に、相馬葵君にいじめの告白をするシーンのやりとりは、ぼろぼろ泣きましたね。


ーー桜庭ななみさん、土屋太鳳さん、高月彩良さんがこれまでシリーズの主演を務めてきました。そういう意味で本作は、若手俳優の登竜門的な作品だとも思います。過去の役者陣にライバル心を持つことはありましたか?


小島:これまで築いてきたものを壊したくない、ファンの方々の期待を裏切りたくないというプレッシャーと同時に、やっぱりこれまでのシリーズには負けてられない、とも思いました。良い意味でファンの方の期待を裏切りたい、というか。もともとプレッシャーを感じやすい方で、緊張もすごくするんですけど、今回はそんなこと言っている場合じゃないなって。でも、どちらかというと、シリーズに参加できたことへの喜びや楽しみの方が大きかったです


■「役を生きる上で嘘はつきたくないし、妥協もしたくない」


ーー同年代の役者だけの現場でしたが、年齢が近い分なにか刺激を受けることはありましたか?


小島:やっぱり相馬君との共演シーンが多かったので、相馬葵役の渡辺佑太朗君の存在は大きかったですね。彼はお芝居していることを感じさせないというか、そこに相馬葵という人間が生きていると錯覚するくらい役に入り込んでいました。うつむいているだけなのに疑いの目を向けてしまったり、怯えている時は本当にどうにかしてあげたいと思ってしまいました。特になにかをアピールをしているわけでもないのに、演じているキャラクターがにじみ出てきているというか。こういう役者さんもいるんだなって、自分にとってはとても刺激になりました。役に入ったままだったのかも知れませんが、カメラが回っていない時も常に優しい方で、人知れずゴミを拾っていたり、彼はもしかしたら天使なのかもしれないって思いました(笑)。


ーー“初主演”は、役者の方にとっても転機になることも多いかと思います。なにか役者としての変化はありましたか?


小島:主演だから、そうじゃないから、という違いはありませんが、みんなに信用してもらえる役者になりたいなって思いました。役を生きる上で嘘はつきたくないし、妥協もしたくない。台本に書いていることだけを演じていてはダメだなって。もちろん台本には従いますが、そこから掘り下げていくこともすごく大事で、深堀りすることで役の違う側面も見えてくるし、演技の選択肢も増えていきます。自分の意見を持って、それを役に反映していけるようになりたいと思いました。あと、なにを考えているかわからない役に挑戦したいなって。本作の影響ではないですが、サイコパスだったり、普段絶対に接することのない未知な役に挑戦していきたいです。(泉夏音)