生活の足として便利な車。特に地方では1人1台所有し、生活必需品となっているところも多い。しかし、運転を誤ると途端に凶器になるのが車だ。2015年は約54万件の交通事故が発生している。
事故を防ぐためにも交通マナーを守ることが欠かせないが、どうやら地域によってかなり差が出るようだ。日本自動車連盟(JAF)が「交通マナーに関するアンケート」を実施し、その結果を7月11日に発表。回答者が居住する都道府県の交通マナーについて聞いたところ、香川県民の80.0%が「悪い」と回答し、全国ワースト1位となった。
「前方の信号機が『青』に変わる前に発進する車が多い」で1位
アンケートには6万4677人が回答した。香川県民は80.0%の人が自分の県の運転マナーについて「悪い思う」「とても悪いと思う」と答えた。2位は徳島県(73.5%)、3位は茨城県(67.2%)となっている。ちなみに全国平均は38.3%だ。
では、香川県はどのような面で交通マナーが悪いのだろうか。個別のマナーについて、守れていないと「とても思う」と回答した割合は、以下のようになっている
「信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしているのに一時停止しない車が多い」(51.1%、ワースト3位)
「方向指示器(ウインカー)を出さずに車線変更や右左折する車が多い」(51.0%、ワースト2位)
「前方の信号機が『青』に変わる前に発進する車が多い」(18.1%、ワースト1位)
香川県は10万人あたりの交通事故死亡者数で、2011年と2012年にワースト1位になっている。荒っぽい運転をする人が多いのだろうか。実際、香川県民の運転マナーが悪いと感じたことのある人は多く、ネットでは、
「道端に止まっていた車が、突然ウインカーも出さずに急に私の前に割り込んで来た」
「信号の見切り発車、シートベルトをしてない人やウィンカーを出さずに車線変更をしたりカーブの右左折は当たり前」
「赤信号に変わっても、5秒以内はOKって思ってるんじゃない??ってぐらい、信号変わっても突っ込んできます」
といった声がたびたびあがっている。
「非常に残念ですが再度家族で住みたいとは思えません」
2014年12月には、香川県のウェブサイトの「県民の声」のコーナーにも、
「転勤のため、昨年春に県外から引っ越してきました。転勤族の他県民の同僚は一同に『香川県民は運転マナーが悪すぎる』でした」
という意見が寄せられていた。具体的な内容としては、「車間距離をとらない」「一般道ではあり得ない高速度で走行」「割り込み、煽り運転が多い」「路地から無理矢理、複数車線がある国道、県道を横断直進又は、右折しようとする」といった項目をあげている。「一般車両はもう言うまでもないですが、パトカーも踏切で一時停止しない」とかなりひどいようだ。
提言者は赴任してもうすぐ2年になるというが、「運転マナーや県民のモラル向上が目に見えて良くならない限り、非常に残念ですが再度家族で住みたいとは思えません」と結んでいる。
この提言に対し、県は2015年1月に、
「毎月5日を『交通マナーアップの日』・毎月20日を『県民の交通安全日』と定めて、街頭指導や広報啓発活動などを実施しているほか、各期(春・秋・年末年始)の交通安全運動や学校、地域、職域等での交通安全教育、交通安全キャンペーン等を推進しているところです」
と回答。また、「県警察でも、交通事故総量の抑止を目的に交通取締り、交通安全教育、交通環境の整備を行っています」と説明している。しかし、今回JAFの調査でワースト1位になっていることから、大幅な改善にはつながらなかったようだ。今後、挽回できる日は来るのだろうか。
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