突然ですが、女性の方々に質問です。
昇進して管理職になった。育児が一区切りしたタイミングで職場復帰した。転職で新しい職場にやってきた。
そんな人生の節目で「新しい自分」になるべく、服装を一新したくなったことはありませんか?
でも、服の色や形にばかりとらわれ、自分のキャラクターをないがしろにすると、「大ヤケド」をすることもあるので注意が必要です。
■転職のタイミングでブラックスーツにしたところ……
これまで約7000人の服選びをサポートしてきたパーソナルスタイリスト、みなみ佳菜さんも、そんな人生の節目で服選びを間違ったことがあると、『4つの性格タイプから見つける いつの間にか人生が変わる服』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)の中で明かしています。
それは、大学卒業後に米系アパレル会社に就職し、店舗で実績をあげていたみなみさんが、米ラグジュアリーブランドへ転職したときのこと。
入社と同時にエリアマネージャーになったみなみさん。古参の現場社員は自ずとみなみさんに対し、「即戦力」として期待の視線を向けるようになります。
プレッシャーを感じたみなみさんは、自分を真面目でしっかりした人間に見せようと、それまで縁のなかったブラックスーツを着るようになりました。
しかし、みなみさんと現場の部下とのコミュニケーションは、改善するどころか、ますますぎこちないものに……。なぜ、このようなことが起きてしまったのでしょうか。
本書によれば、それは「内面と外面の不一致」が起きていたからです。
みなみさんは本来、明るくて好奇心旺盛で、どちらかというと“ゆるキャラ”系の性格。つまり、明るい色の服を選ぶべきだったにもかかわらず、それとは真逆のイメージを与えるブラックスーツを着ていたのです。
自分をしっかりした人間に見せようと、無理して自分に合わない「黒」を選んだ、みなみさん。ところが、自分のキャラクターに合わない服を無理して着てしまったことで、物言いまで「らしくない」ものになってしまい、みなみさん自身、どんどん苦しくなっていったといいます。
こうして、みなみさんは自ら理想とするマネージャー像からかけ離れていき、結果として、部下との関係もうまくいかなくなったのです。
■自分に合った服選びをするために知っておきたい性格4タイプ
では、「内面と外面の不一致」を避けるために、どうすればいいのでしょうか。結論からいえば、自分の性格を見極め、その性格にマッチした服を選ぶことが重要です。
その上で参考にしたいのが、本書にある「『4つの性格タイプ』チェックシート」。各12項目、計48個の質問に答えることで、自分の性格タイプが分かり、服選びのポイントをつかむことができます。
○「優しい・献身的」なソフトフェミニンタイプ
○「快活・お茶目」なポップキュートタイプ
○「存在感があって凛とした」クールシャープタイプ
○「自然で落ち着きのある」シックナチュラルタイプソフトフェミニンタイプであれば、淡く繊細な雰囲気のデザイン・色・素材でエレガントな上質感のあるスタイルを、クールシャープタイプであれば、鋭角な辛口デザインに現職やモノトーンを組み合わせるなどのキリリとしたスタイル……といった具合に、自分の性格にマッチした服を選ぶことにより、服を通して「私はこんな人間です」とストレートにアピールしやすくなるのです。
みなみさん自身、先に挙げた「ブラックスーツ」の失敗のあと、本来のキャラクター(「ポップキュート」がメインで「ソフトフェミニン」も混じっているタイプ)に合わせた服にしたところ、周囲とのコミュニケーションがスムーズにとれるようになり、職場での評価も上がっていったといいます。
ここまで、自分らしさを表現するための服選びのポイントを紹介してきました。本書では他にも、「あなたに会った相手に心地よく感じさせる」ためのテクニック、さらにはその場その場に合わせて服のフォーマル~カジュアル度合いを調整する際の考え方なども解説されています。本書の内容を踏まえれば、仕事はもちろんプライベートでも、自分らしさを自然に演出できるようになるでしょう。
(新刊JP編集部)