F1イギリスGPのスタートにおいて「セーフティカー先導が長すぎた」と、ドライバーの間で問題になっている。
スタート直前に降り始めた雨によって、レースはセーフティカー先導で幕が切られた。この判断自体には多くのドライバーが賛同しているものの、何人かのドライバーはリスタート直後にフルウエットからインターミディエイトへとタイヤを変更しており、5周もの先導は不要だったとの声が上がっている。
ジェンソン・バトンは「路面はスーパーウエットで水たまりもあり、セーフティカーでスタートするべき状況だったが、長すぎた。もう2周早く先導を終えるべきだった。全員が同じタイミングでピットに入ることになり(戦略的に)違うことができなくなってしまったんだ」と語る。
セーフティカーの後ろについて「(路面の)様子を見ることは重要だった」と言うのは、ニコ・ロズベルグ。そのロズベルグとレースで2位争いを演じたマックス・フェルスタッペンも同意しているが、もっと早い段階でリスタートするべきだったと言う。
「ストレート上は水が多かったけれど(セーフティカーは)ちょっと長すぎた。僕としては、1~2周でレースができる状態になっていた」
トロロッソのカルロス・サインツJr.も「すごく安全にスタートしたね。中団では前がまったく見えない状態だったので、セーフティカーは必要だった。でも2周で水たまりの位置など路面の状態もわかったし、行けるようになっていたよ」との意見を述べた。
一方でレースの勝者となったルイス・ハミルトンは、通常のスタートでも問題はなかったと語る少数派だ。
「グリッドから(普通に)スタートできた。水たまりがあって難しかったかもしれないが、それがレースというものだ。セーフティカーが長すぎて、リスタートのときにはインターミディエイトで走るようなコンディションになっていた。2008年に通常のスタートを切ったときのほうが、コース上の水は多かったよ」
ギヤボックスペナルティで11番手スタートとなっていたセバスチャン・ベッテルは、ウエット路面を利用して挽回を試みていたが、セーフティカー先導は理解できると言う。しかしベッテルは、リスタート直後に多くのドライバーがインターミディエイトへと変更するのは、ピレリのウエットタイヤがレースに耐えるものではないことが理由だと話す。
「コースの前半は路面に水が多かったので、スタートをセーフティカー先導にしたのは正しい判断だった。批判すべきは、エクストリーム・ウエットタイヤを誰も信頼していないという現状だ。まだアクアプレーニングが起きていても、インターミディエイトで多くのリスクを犯したほうがマシな状態なんだ。そのほうが速いからね。現在のウエットタイヤに関しては、セーフティカーを追う程度の性能しかないことを、何度か忠告している」