0.894マイルのアイオワ・スピードウェイで開催されたインディカー・シリーズ第11戦。10日に行われた決勝レースは、エド・カーペンター・レーシングのジョセフ・ニューガーデンがオーバル初優勝となるキャリア3勝目を挙げた。佐藤琢磨(AJフォイト)は、粘りの走りを見せ11位となった。
ジョセフ・ニューガーデンが予選2位から1周目にトップに立ち、圧倒的なスピードを見せ付けて300周を走破! オーバルでのキャリア初勝利を飾った。リードラップは282周にも及んだ。この勝利は、インディカーにデビューして6年目を迎えるニューガーデンにとって、キャリア3勝目だ。
今日の勝利で53ポイントを荒稼ぎした彼は、ポイントスタンディングで5番手から2番手へとジャンプアップした。ポイントリーダーのサイモン・ペジナウ(チーム・ペンスキー)との差は73点だ。
日中にの豪雨によって路面のラバーは完全に流され、湿度も大きく上昇。風も吹いていた。インディライツのレースが行われた後でのレースではあったが、コンディションは昨日の予選までとは違うものになっていた。しかし、ニューガーデンには何の影響もなかったようだ。
ニューガーデンの速さは、彼が100周を終える前に3番手を走るエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)までをラップダウンにしていたという事実を示せば明らかだろう。ライアン・ハンター-レイのトラブルによるフルコースコーションが109周目に出されなかったら、2番手を走るペジナウも周回遅れとなっていたはずだ。
2位でゴールしたのは、予選8位だったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)。最終スティントで大きくスピードアップした彼は、ペジナウとスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)をゴール前10周を切ってからパスした。
3位はディクソン。レースの大半で2番手を走ったペジナウは表彰台も逃しての4位となったが、ポイントリードは73点と依然として大きなものをキープできている。
ウイナーのニューガーデンは、「今日は本当に走っていて楽しかった。クルマがとにかく良かったからね。周回を重ねても僕らはスピードの落ち込みがほとんどなかった。エド・カーペンター・レーシングというチーム全体が素晴らしい仕事をしてくれた。怪我をしている僕の代わりにテストを担当してくれたJR・ヒルデブランドの働きも素晴らしいものだった。彼がテストを担当してくれているのは、チームにとって本当にラッキーなことだ」と語った。
5位はミカエル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。予選でホンダ勢トップの9位だった彼は、レースでも上位にマシンを保ち続け、ホンダ勢トップの5位でゴール。6位はインディー500ウイナーのアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)。17番グリッドからのトップ6入りは素晴らしい結果だ。
佐藤琢磨(AJフォイト)は予選13位から11位でゴールした。スタート直後はポジションをキープしたが、第一スティントの終盤に18位まで後退。そこからは苦戦を強いられるも、タイヤの内圧設定がコンディションに合うとスピードを上げ、粘り強く走り続けて終盤にチャンスを掴んだ。最後のイエローが246周目に出される前、多くのライバルたちがピットインをしていたが、燃費セーブをしていた琢磨はイエローが出てからピットすることができ、大きく順位を上げた。トップ10はあと一歩のところで逃したが、11位でのゴールを果たした。
「ターン3のバンプはレースでも大変でした。優勝したニューガーデンはそこをまったく問題なく走り抜けていた。今日の僕らにはスピードが足りていなかったが、安定感を保って走り続けることはできていた。11位はアイオワでのチームのベストフィニッシュということなので、それはよかった。ゴール前にあともう少し頑張り、ふたりぐらいパスして順位を上げたかったですね」と琢磨は話していた。