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ついに1ポイント差に。ハミルトン、メモリアルな母国開催で圧勝! ロズベルグは無線違反で罰則

2016年07月10日 22:51  AUTOSPORT web

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母国で2014年、2015年に続いて3連覇を達成したハミルトン
2016年F1第10戦イギリスGPは、7月10日に決勝が行われた。舞台となるシルバーストンは今年で50回目の開催。予選では一度タイムを抹消されながら、2度目のアタックでも最速タイムを出したメルセデスのルイス・ハミルトンが母国で2014年から3連勝、2年連続でポール・トゥ・ウインを達成した。マシンを降りたハミルトンはスタンドのほうへと走り出て、大喜びでファンの声援に応えた。

 フリー走行3回目でギヤボックス交換を行ったフェラーリのセバスチャン・ベッテルは5グリッド降格により11番手スタート。クラッシュによりメディカルチェックを受けたザウバーのマーカス・エリクソンはモノコックを交換したためピットスタートとなっていた。レースは、スタート前に降り出した雨により、セーフティカー先導で開始されることが決定。各車ウエットタイヤを装着し、ザウバーも隊列に加わる。

 気温17度、路面温度21度、路面は一部乾いている部分がある微妙なコンディション。黒い雲と青空が混在する、気まぐれなブリティッシュ・ウェザーは波乱の幕開けを予感させた──。

 5周目にセーフティカー退去の知らせが出ると、真っ先にフェラーリ2台を含む数台がインターミディエイトタイヤに履き替えるためピットイン。上位勢では翌周にレッドブルのダニエル・リカルドがピットへ向かう。7周目に、パスカル・ウェーレインが水たまりに足をとられてコースアウト。ここでバーチャル・セーフティカー状態となり、メルセデス2台とマックス・フェルスタッペンがピットへ。全車タイヤ交換を果たすと、ハミルトン、ロズベルグ、フェルスタッペンが順位を維持する一方で、フォース・インディアのセルジオ・ペレスが10番手スタートから4番手に上がりレース巧者ぶりを発揮する。

 フェラーリはキミ・ライコネン6番手、セバスチャン・ベッテル12番手と順位を上げられず。メルセデスとレッドブルの4台はファステストラップを記録しながら周回を重ねていく。16周目にはフェルスタッペンがロズベルグをかわして2番手に上がり、ポジション争いが白熱。そこでベッテルが15周目、ライコネンが16周目に先陣を切ってミディアムタイヤに履き替えると、上位勢も続いてタイヤ交換に入る。ベッテルはひとつ順位を上げていたものの、まだ濡れている路面で単独スピンを喫して、12番手へ後退してしまう。

 半乾き状態の路面にドライバーも手こずり、1コーナーでスピンやオーバーランが続出。マノーのリオ・ハリアントは、その餌食になってリタイア。入賞県内を走っていたフェルナンド・アロンソもフェリペ・マッサとの接近戦でコースを外れ、ジェンソン・バトンの後方13番手にポジションを落とす。

 レースが30周を迎えるころには天候は快晴へと変わっていき、完全なドライコンディションに近づきつつあるなか、ロズベルグがフェルスタッペンに肉薄。38周目に再三オーバーテイクを仕掛けたターン15で、ロズベルグがようやく前に出て、2番手に浮上する。その直前にはベッテルが9番手のマッサをかわしていたが、アウト側へ押し出したため、ベッテルには5秒加算のペナルティが科せられた。

 レースは終盤を迎え、ハミルトンがファステストラップを記録しながらラストスパートをかける。追いかけたいロズベルグだったが、47周目に突入したところでギヤボックスに問題が発生した。無線で訴えるロズベルグに、チームから「7速は使うな」という指示が出される。このときのやりとりが無線規則違反にあたる可能性があり、審議対象となった。

 ロズベルグは何とかフェルスタッペンとの差を保ち、2位でフィニッシュ。ハミルトンが逃げ切り、見事に今シーズン4勝目、通算47勝を記録した。レース後、2位でフィニッシュしたニコ・ロズベルグはチームとの無線のやりとりの内容がドライバーズエイドの規則違反と判定され、レース後の10秒加算のペナルティ。表彰台では2位の座に上がったものの、その後、3位に繰り下がり、フェルスタッペンが2位に繰り上がった。ロズベルグはドライバーズランキングのトップは守ったが、ハミルトンとの差はわずか1ポイントに縮まる結果となった。

 4位リカルド、5位ライコネン、6位ペレス、7位ニコ・ヒュルケンベルグ、8位カルロス・サインツJr.、9位ベッテル、10位ダニール・クビアトまでが入賞。

 土曜のクラッシュから復帰したエリクソンはエンジンの調子が悪く、ピットで修復を試みたものの、結局11周リタイアとなっている。ハースのロマン・グロージャンは17周でストップ。ルノーのジョリオン・パーマーはアンセーフリリースでペナルティを受け、最後は37周リタイア。良いところのない母国グランプリとなってしまった。

 マクラーレンのジェンソン・バトンも母国での入賞は果たせず、12位。アロンソも13位に終わっている。