F1イギリスGPの決勝を前に、まずはグリッドやペナルティの状況を整理しておこう。
フリー走行3回目でギヤボックスにトラブルを抱えたフェラーリのセバスチャン・ベッテルは、ギヤボックス交換で5番手降格のペナルティを受け、暫定グリッドは11番手となっている。
また予選Q1でメルセデスのニコ・ロズベルグは、2本のセーフティカーラインの間に設定されている最大ラップタイムを越えて、遅く走行していたことでレース審議委員会に呼び出された。しかし、最大タイムはアタック中のドライバーとインラップ/アウトラップのスピード差による危険を懸念して定められているもので、ロズベルグの該当ラップはピットインの周回ではなく、タイヤを労わるためにペースを落としたラップだったため、処分を免れた。ロズベルグは、そのまま2番手からスタートする予定だ。
ルノーのケビン・マグヌッセンは、トロロッソのダニール・クビアトのアタックラップをブロックしたとして呼び出しを受けたが、マグヌッセンがミスを犯したためで故意ではなかったことが認められ、こちらも、おとがめなし。
フリー走行3回目に大クラッシュを喫したザウバーのマーカス・エリクソンは病院で精密検査を受けたが深刻な問題はなく、予選後にはパドックへ帰ってきている。予選には出走できなかったが、フリー走行のタイムが考慮され、暫定グリッドでは最後尾からのスタートが認められている。ただし、エリクソンの出走については日曜の朝に再度サーキットでメディカルチェックを行ってから判断される。チームはエリクソンの出場にOKが出れば、スペアシャシーでピットレーンからスタートする予定で準備をしている。
ピレリによれば、金曜日のロングランのデータを見るかぎり、最適なピットストップ戦略は2回。その場合は9~11周でソフトからミディアムへ交換し、その後30~33周目に2回目のピットストップを行い、再びミディアムを履くのが最速だという。
ソフトはミディアムよりも1周あたり1.5秒以上速いので、ソフト、ソフト、ソフト、ミディアムとつなぐ「3ストップ」も考えられるという。あるチームのエンジニアは「ミディアムとハードを使用した1ストップも考えている」と語っており、今年のイギリスGPはバラエティ豊かなタイヤ戦略が見られるかもしれない。
日曜日の天気は、スタート時刻となる午後1時の降水確率が55%と予想されている。ただし地元の人によると「イギリスの天候は、いつ雨が降っても不思議ではないし、まったく降らないときもある」と降水確率は、あまり当てにならないようだ。