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援助交際を繰り返す少女に「肉体関係を持った」と嘘をつかれないか心配…どうすれば?

2016年07月10日 08:52  弁護士ドットコム

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援助交際を繰り返している未成年と会ったのですが、その子が補導されたら自分は逮捕されるのでしょうかーー。そんな投稿が弁護士ドットコムの法律相談コーナーに寄せられました。


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相談者は数か月前、SNSを通じて援助交際をしている未成年と会い、カラオケに行きました。


相手と肉体関係を持つようなことはありませんでした。しかし、その子が補導され、メッセージのやりとりから自分が特定され、警察に「自分と肉体関係を持った」と嘘の供述したら、自分が逮捕されてしまうのではないかと心配しています。


もし18歳未満の少女を相手にこのような事態になった場合、相談者が罪に問われる可能性があるのでしょうか。また、冤罪の場合、自分が無実であることを証明するにはどのような方法をとればいいのでしょうか。奥村徹護士に聞きました。



 ●裏付け証拠を集めて、説明を変遷させない


18歳未満との性的行為は、児童買春罪や行為に及んだ場所の青少年保護条例違反で検挙されますし、深夜同伴も青少年保護条例違反になる地域が多いと思います。


そこで、児童・青少年と個室で1対1となるような状況があると、何もしていない場合でも、後日、児童・青少年が「性的行為をさせられた」と虚偽の供述すると、児童買春罪や青少年条例違反に問われるおそれがあります。


虚偽供述の原因としては、もともと児童・青少年は警察官に迎合的な供述をしがちである点や、「親にバレると怒られるので被害者を装いたい」という心理などが指摘できます。


最近の捜査では被害者の供述を鵜呑みにせず、客観的な証拠を確保するようになっていますが、最近はこの種の事件を積極的に検挙する傾向にあって、逮捕状の請求時点では、被害者の供述+施設の記録程度の資料で逮捕状が発布されることもまだまだあります。


こういう場合の弁解方法としては、一般論としては、(1)裏付け証拠として電話・メール・SNSの履歴や行動記録(ETC、交通系カード、ATM、防犯カメラ等)をできるだけ集めた上で、(2)知り合ってから別れるまでの事実関係を詳細かつ正確に説明して、かつ変遷させないことです。逮捕されない場合でも弁護士の助言を受けながら資料をまとめておくことが有効です。


不幸にも逮捕されてしまった場合には、当番弁護士等を依頼して弁護士からのアドバイスを受けるまでは黙秘してください。性犯罪に限らず多くの冤罪事件で捜査段階の被疑者の自白(虚偽自白)が有罪認定のポイントになっていますので、弁護士と接見するまでは黙っているというのが得策になります。




【取材協力弁護士】
奥村 徹(おくむら・とおる)弁護士
大阪弁護士会。大阪弁護士会刑事弁護委員。日本刑法学会、法とコンピューター学会、情報ネットワーク法学会、安心ネットづくり促進協議会特別会員

事務所名:奥村&田中法律事務所
事務所URL:http://www.okumura-tanaka-law.com/www/top.htm