2016年F1第10戦イギリスGPの予選は、7月9日に気温20度、路面温度25度、曇り空に覆われたシルバーストンで行われた。母国グランプリに臨むメルセデスのルイス・ハミルトンは、フリー走行の全セッションでトップタイムを記録して好調な出足を見せていたが、予選でも速さは変わらず、一度タイムが取り消される波乱に見舞われたものの、ニコ・ロズベルグに0.3秒以上の差をつけてポールポジションを獲得した。
なお、セバスチャン・ベッテルはフリー走行3回目終了後にギヤボックスを交換したため、予選前に決勝での5グリッド降格ペナルティが決定。また、フリー走行3回目でマシンを大破させるクラッシュを喫したザウバーのマーカス・エリクソンは、検査のため病院へ運ばれ、予選は不参加となっている。
降雨も心配されたが、予選は最後までドライ路面で行われた。Q1では、メルセデスがソフトタイヤで真っ先にロズベルグ、ハミルトンの順で1、2番手タイムを記録。約5分が経過したころに、レッドブルのマックス・フェルスタッペンとダニエル・リカルドが3、4番手に続いた。フェラーリのセバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンがレッドブル2台に割って入り、上位勢の順位が確定。
一方、序盤にタイムを出していたマクラーレンのジェンソン・バトンは12番手につけていたが、終盤タイムが塗り替えられていき、最後のアタックでトロロッソのダニール・クビアトが15番手に浮上。バトンは17番手に後退し、母国で残念なQ1敗退となってしまった。Q1ではバトン、ジョリオン・パーマー、リオ・ハリアント、パスカル・ウェーレイン、フェリペ・ナッセ、そしてエリクソンがノックアウトとなっている。
Q2でも、やはり序盤にタイムを出したのはメルセデスの2台。今度はハミルトンが1分29秒243でトップに立ち、ロズベルグが1分29秒970の2番手タイムを記録。Q1同様にレッドブルの2台、そしてベッテルが続く序列となるが、ライコネンがアタック中に最終コーナーでスピンを喫したため、一度ピットに入り、再び最後のアタックを行う。そこでもブレーキングでミスを犯してタイムを失ったが、結局6番手に落ち着いた。フェルナンド・アロンソは、最後のアタックでタイムを更新して9位でQ3へ進出。Q2では、セルジオ・ペレス、フェリペ・マッサ、ロマン・グロージャン、エステバン・グティエレス、クビアト、ケビン・マグヌッセンがノックアウトとなった。
少し風が強まったQ3、最後のセッションでもメルセデスの上位は揺るがない。まずはハミルトンが1分29秒339でトップに立ち、ロズベルグが1分29秒606で2番手。またもレッドブル、フェラーリが続く展開となる。ところが、ほどなくしてタイムシートからハミルトンのタイムが消えてしまう。ターン9でトラックリミットを超えたため、タイム抹消となったのだ。これによりロズベルグが暫定トップとなり、フェルスタッペン、リカルドが続いていたが、ハミルトンは最後のアタックに賭けてコースイン。
ロズベルグもアタックに入り、ふたりのタイムに注目が集まったが、ロズベルグは自己ベストを更新できず。ハミルトンは最初に出した自らのタイムを上回る1分29秒287をマークして今季6回目、通算55回目となる文句なしのポールポジションを獲得した。3位は初めてリカルドの上位につけたフェルスタッペン、4位リカルド、5位ライコネン、6位は5グリッド降格が決まっているベッテル、7位バルテリ・ボッタス、8位ニコ・ヒュルケンベルグ、9位カルロス・サインツJr.、10位アロンソという結果となった。
決勝は7月10日(日)日本時間21時、現地時間13時にスタートする。