FIAは、F1で現在採用されている無線制限に関して、内容の見直しは考えていない意向を明らかにした。
メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフと、フォース・インディア副代表のボブ・ファーンリーが、オーストリアGPでの事故やリタイアは無線の制限が影響していたとFIAに提言。
しかしながら、FIAのレースディレクターを務めるチャーリー・ホワインティングは、現行の規則を変えるつもりはなく、改変は論外である意向だと、マクラーレンのチーム代表エリック・ブーリエが明かしている。
「チームとFIAによる議論は行われたが、FIAは制限の緩和を訴えるチーム側の主張を受け入れるつもりはない」とブーリエは語った。
オーストリアGPでは、メルセデスのニコ・ロズベルグに終盤ブレーキ・バイ・ワイヤのトラブルが発生、最終ラップのルイス・ハミルトンとの接触に影響を及ぼした。
フォース・インディアのセルジオ・ペレスにも、同じタイミングでブレーキトラブルが発生。その数周前にはチームメイトのニコ・ヒュルケンベルグがブレーキに問題を抱えてリタイアしていた。
ファーンリーは、無線制限があったためにドライバーに伝えることができず、アクシデントが発生したと主張。
「我々は無線によるコミュニケーション手段を見直す必要がある。少し危険な要素をはらんでいるからね。頭部保護システムには賛否あるが、安全性を優先して進められている。せめて、ドライバーにブレーキの問題を伝えることができれば良いのだが……」