F1イギリスGPのFIA木曜ドライバー会見には、地元イギリス出身のドライバー3人が勢ぞろい。やはり注目は何と言ってもルイス・ハミルトンに集まりました。
まず、ドライバー控室への導線を間違えてメディア用の入口から、いきなり入場してきてしまったハミルトン。“ルイス待ち”で午後3時の会見スタートが少し押していたにもかかわらず、本人は先に前列中央の席に座り、控室から入ってきた他の5人を代わる代わる笑顔で握手して出迎えます。ドライバーズパレードでは、いつもひとりぼっちで沈黙を守っているハミルトンですが、前戦オーストリアGPの接触の件で世間を賑わしているだけに、ドライバーたちを味方につけておこうという魂胆だったりして……?
会見が始まると、やはりカメラマンのターゲットはハミルトンただひとり。6人のうち最後に司会者が質問を向けると、ハミルトンが視線を上げるたびに「バシャバシャバシャッ!」とカメラのシャッター音が鳴り響きます。
最初は冷静を装って話していたハミルトンも、最後は「僕が前を見るたびにカメラがさぁ! 見てよ、ワハハハハッ!」と吹き出してしまいました。さすがに隣のジェンソン・バトンが「音のしないシャッターにしてもらいたいよね」とフォローを。
「僕らの運命は僕ら自身の手にかかっている。チームオーダーはないし、レースというのはそうあるべきだと思う。ファンにとっても良いことだ」
ハミルトンはメルセデスがチームオーダー発令をしないことを明らかにしたものの、どうやらチーム内ではチームオーダーは出さない代わりにチームメイト同士のバトルには、ある程度の“戦争抑止力”となるような規約が設けられた模様です。
それについて聞かれたハミルトンは「チーム内のプライベートなことだから極秘だ」と内容を明かしませんでしたが、「良い質問だね」と規約の存在を暗に認めたのでした。
自分に質問が来ない間は前列でヒソヒソおしゃべりをしていたハミルトンとバトンは、いかにも仲良しといった雰囲気。しかし反対側の隣に座った新人ジョリオン・パーマーは、その輪に入れず、ちょっと寂しい様子。
そんな3人に「イギリスGPの良いところは?」と聞いたチャンネル4の名物女性記者の質問に、バトンは「サーキットも良いけど、イギリス人としてはファンの応援が素晴らしいと感じるし、特別だ」ということを思い出話も交えつつ蕩々と語ります。次に振られたハミルトンは「全部言われたから、ジョリオンが先に答えて!」とパーマーに無茶ぶり。パーマーが「飛行機に乗らなくても良いのがうれしいね。自宅からクルマで1時間だもの」とイギリス在住者らしくサラリと受けると、ハミルトンは「これで完全に全部言われたよ!」と降参。
それ以外にも質問は多岐にわたり、ハミルトンを主役に盛り上がった記者会見は42分にも及んで、ようやくお開き。13万5000人の大観衆の来場が予想される決勝の盛り上がりを先取りするイギリスGP木曜会見となったのでした。