2015/16年シーズンのフォーミュラEをランキング6位で終えたステファン・サラザン(ベンチュリ)は、10月開幕のシーズン3でもベンチュリに残留。同チームには、大手マニュファクチャラー系チームに挑戦できる力があると考えている。
サラザンは今季第6戦ロングビーチで自身初、チーム初の表彰台を獲得。また、チャンピオンを獲得したセバスチャン・ブエミ(ルノー・e.ダムス)とともに、唯一シリーズ全戦でポイント獲得を成し遂げている。
英AUTOSPORTに対し、サラザンはベンチュリへ残留することを認め、“完全に異なるギヤボックス”を含むパワートレインの大幅な変更により、ルノーe.ダムスやアプト・シェフラー・アウディ・スポートのような大手自動車メーカー系チームとのギャップを縮めることができるだろう、と語った。
「(来シーズンには)昨シーズン以上のことを期待するさ」とサラザン。
「これまで、我々は他チームのような“ビッグステップ”を踏み出すことがなかった。例えばギヤボックスは、多くのチームが2速を採用したのに対し、我々は4速。重量も最低重量を超える24kgもあった。だからいつも重さに悩まされた」
「それだけに、来シーズンはもっと飛躍的に進化する。我々はトップチームをキャッチすることができると思うし、そうなるように願っているよ」
ベンチュリ・オートモーティブは、独自の方法論で電気自動車(EV)の技術開発を重ねてきており、とくにEVでのランド・スピード・レコード(最高速記録)を探求してきたことで知られる。それでも、サラザンはFEへ参戦する際、「ゼロからのスタートだった」と振り返る。
ベンチュリはFE第1シーズンで参戦10チーム中9位に終わったが、第2シーズンはサラザンが健闘。自身も「偉大なこと」と表現するとおり、チームはランキング6位に躍進した。
来季に向けても、イギリスのマクラーレン・アプライド・テクノロジーズ社(MAT)との共闘で、第2世代となるパワートレインのモーター&コントロールユニットの開発を継続する。
FIA世界耐久選手権(WEC)でTOYOTA GAZOO Racingのワークスドライバーも務めるサラザンは、この『VM200-FE-02』と呼ばれる新型パワートレインの非公開テストに参加し、その進捗状況に励まされたという。
「ル・マンの後、3日間のテストをした。厳しいテストだったけど、それもゲームの一部だ。僕にとっても非常に良い3日間になったし、僕らは多くの分野でプッシュし、進歩している。大きな1歩を踏み出せそうだ」
一足先に、DSオートモーティブがWTCC2連覇中の王者、ホセ-マリア・ロペスの起用を発表したが、16/17年のシーズン3に向けてドライバーラインナップも徐々に見えつつあるようだ。
<2016/17年フォーミュラE ドライバーラインナップ予想>
ルノーe.dams:セバスチャン・ブエミ/ニコラ・プロスト
アプトアウディスポーツ:ルーカス・ディ・グラッシ/ダニエル・アプト
DSヴァージン・レーシング:サム・バード/ホセ-マリア・ロペス
ドラゴン・レーシング:ジェローム・ダンブロジオ/ロイック・デュバル
マヒンドラ:後日発表(TBC)
ベンチュリ:ステファン・サラザン/TBC
アンドレッティ:ロビン・フラインス/TBC
Techeetah:ジャン-エリック・ベルニュ/マ・キンファ
NextEV:TBC
ジャガー:TBC