メルセデスF1チームは、オーストリアGPで接触したルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグに対し、今後もチームオーダーを出さず自由にバトルをすることを許すことを決めた。ただしルールを厳格化し、これを守らない場合には、チームオーダーを発令する可能性があるという。
前戦オーストリアGPの最終ラップで両者は接触、首位を走っていたロズベルグは4位に順位を落とし、接触の責任ありとしてペナルティも受けた。
ふたりは今年たびたび接触を繰り返しており、スペインGPではオープニングラップで両者リタイアとなり、チームは大量のポイントを取り逃がした。
オーストリアの後、事態を重くみたチームは、木曜にファクトリーにふたりのドライバーを呼び、トト・ウォルフ、パディ・ロウと共に話し合いを行った。
メルセデスは7日、その会合の結果を発表、ドライバーたちに最終警告を行ったが、今後もコース上で戦うことを許すと決めたことを明らかにした。
「我々のドライバーたちに対し、今後も世界選手権をめぐり自由にレースをすることができると伝えた」とメルセデスの声明には記されている。
「チームメイト同士のレースを含め、これこそがF1の本質であると我々は信じている。情熱を持つレーサーとして、我々は彼らがレースをするところを見たい。それはF1ファンも同じだ」
「しかしこの自由に伴い、我々のドライバーたちはチームの価値を尊重する義務を負わなければならない」
「過去5戦のなかで3回インシデントが起こり、それによって我々はコンストラクターズ選手権において50ポイント以上を失った」
「そのため、2台のマシンが接触することを抑止するためのより厳格な策を含め、戦闘ルールを増強した」
「こういった策を採ったため、我々はドライバーたちがコース上で状況をうまく管理するものと信じることができる。彼らの運命は彼ら自身が握っている」
「ドライバーに対しては、レース中、コンストラクターズポイントを失う可能性を避けるための指示を行う可能性があると念を押した。例えば、去年のモナコGでニコがルイスを前に出すよう指示されたようなことだ」
「変更されたこのルールをドライバーたちが尊重しない場合、最後の手段として我々はチームオーダーを発動する可能性がある」
ウォルフは、オーストリアGP直後には今後はチームオーダーを出すことも考えると述べていた。しかし冷却期間をおいて、ドライバーひとりずつと面談、その後、4人でミーティングを行い、取り決めを行ったという。
2014年に両者が接触した際には、ロズベルグに厳しい罰金が科せられたものとみられており、今回はさらに厳しい罰則が定められたものと考えられている。