好きでやっていることが、結果的に仕事で役に立つ瞬間というのは、そう多くはない。趣味とか特技を仕事で活かせるケースは極稀なものだ。だからこそ、たまにそんな機会が訪れると嬉しくなってしまう。
先日、ツイッターで、あるツイートが投稿されて話題になった。今回はちょっと、その話をしたい。(文:松本ミゾレ)
140文字縛りの中で文章を書くことで日々トレーニングになっている
ツイッターといえば、投稿できるのは最大140文字までという、「短文縛り」が特徴だ。この縛りがあるおかげで、タイムラインは比較的見やすいし、スクロールして全文を読む手間もかからない。
Facebookのように、投稿者の自己満足のようなポエムや、しょうもない自慢話を見ることもそんなにない。ツイッターではこのようにして、見やすいタイムラインが維持されているわけではあるが、これを利用しているうちに、とあるユーザーは仕事の際にも役に立つスキルを習得したというのだ。
「140文字縛りを長年続けていたお陰で、上司から『君のメールは簡潔だが内容がわかりやすい』と思わぬお褒めの言葉を頂いてしまい、Twitterもやり続けていれば人生においてなんか役に立ってしまうことがあると実感できた日になりました」
日頃から140文字以内で読み手に分かりやすいように文章を構築する努力をしていたことが、文章上達に繋がり、それが上司の目に留まって褒められたというのである。
文書やメールによる報告、連絡、相談は、仕事をする上で欠かせない。冗長すぎず、だけど内容もしっかり伝えることのできるコツを、このユーザーはツイッターを使ううちに、自然と習得していたということだろう。
一方、「ツイッターのせいで長文が書けなくなった」という声も
前述の投稿に対して、ツイッターでは賛同の声が出ていた。一部を抜粋して紹介させていただきたい。
「私もそれ言われる……『クレームの処理対応依頼、簡潔でわかりやすいっす!』って褒められるわ」
「短い文章で的確に伝える訓練になってると思う」
「要約する力って回数重ねたらつくんやで」
上司に褒められた人同様に、ツイッターを使い続けたことで、実生活でも短く分かりやすい文章を構成する能力を手に入れたと自覚したというコメントがいくつも目についた。ツイッター、素晴らしいSNSである。
しかし、一方で140文字縛りのせいで弊害が出ている人もいるようだ。
「逆に長文書けなくなってきた」
「Twitterがメインになったせいで、うちの掲示板の書き込みやレスを長文にするのが苦手になってしまった」
個人的には、こういう人がツイッターを利用することで増えてしまうというか、自分で「長文が苦手になってしまったなぁ」と認識することは、ありえる話だと思っている。短く用件を伝える術を覚えてしまうと、わざわざ冗長な文を書くのは馬鹿らしくなってしまうものだし。ただ、長文が苦手になってしまうというのは考えもの。
あちらを立てればこちらが立たず。短文も長文も、普段からバランスよく触れておかないと、どちらかに極端な偏りを見せてしまうのかもしれない。
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