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シニア婚活パーティー 成果をあげたのは“黒髪で化粧薄め”

2016年07月05日 10:50  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

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先日、最終回を迎えたTBSドラマ『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』。中谷美紀演じる主人公が奮闘する姿が話題を呼んだ。今や「結婚したい!」という思いに、年齢もタイミングも婚歴も関係ない時代。ここ数年で増えている、シニア婚活パーティーに潜入した。 某月某日、都内繁華街の40~50代向けお見合いパーティーに参加してみた。どんな人が来ているのか、いい人が見つかるか、ドキドキである。 参加費用は女性1500円、男性は6000円。おしゃれな吹き抜けビルのワンフロアが会場だ。窓際に沿ってイスが並べられている。受付で番号札とプロフィールカードをもらい、すぐにカードに名前や職業、自身の性格、趣味・特技、好きなタイプ、デートで行きたい場所などを記入するように言われた。 周りを見渡すと花柄ファッションの女性が数名。最終的に女性が9人、男性は6人。女性の間に男性が座るようイスがセッティングされている。 司会兼世話人のもと、開会の挨拶から自己紹介タイムへ。女性は動かず、自分の右側に来た男性と話をするシステム。プロフィールを交換し、男性には収入欄があるのを発見した。 最初の男性は毎週のようにパーティーに参加しているという。6000円で月4回来たら、けっこうな代金だ。「カモみたいなもんですよね」と自嘲的に言う男性。中肉中背、ごく普通の会社員で、結婚歴のない50歳。カードの家族欄を見ると、両親と弟、妹と同居。家族仲がいいようで、家族の話をしまくり時間切れ。 「プロフィール欄にもっといろいろ書いたほうが会話が弾むと思いますよ」 ベテランの彼にそう諭されて、趣味の欄に“落語”“歌舞伎”“カラオケ”、好きな映画に“日活ロマンポルノ”と書き込んでみる。 次に隣に移動してきた男性は、年収1000万円以上の会社役員、バツイチ。プロフィールカードを渡すなり、やたらメモを取り始める。しばらくしてやっと 「落語が好きなんですか」 と趣味欄に食いついてくれたのだが、 「僕は落語なんて知らないけど」 とひと言。子どもじゃないんだからそういう言い方はどうかねと内心、ブーイング。 移動する彼の後ろ姿を見たら、スーツのズボンの裾がすり切れて糸が垂れている。気づかずにはいているのか、それを何とかしてあげたいと思う女を待っているという高等テクニックか。まさかね。 そのあたりで、女性のプロフィールカードには、「得意料理」という欄があるのに気づく。男性は収入、女性は得意料理。プロフィールカードはそこだけが違うようだ。わけのわからない怒りのようなものがこみ上げ、あわてて封印。次の人を笑顔で待つ。 次に来たのはIT関係の自営業、50代半ば。年収800万円。一見さわやか風、カジュアルな感じ。「デートで行きたい場所はディズニーランド」に思わず吹き出しそうになる。ちなみにTDLと書いた男性はほかにもいた。そこへ行けば女が喜ぶと思っているのか、あるいは自分が行きたいのか。「思春期か」と内心のツッコミが起こる。 そんなこんなで次はフリータイム。男性が好みの女性のもとへ。あぶれた私は、近くの女性に話しかけてみる。彼女はバツ2のひとり暮らし。仕事が多忙で出会いがない。 「いい人がいれば付き合いたいなと思って」 とのこと。花柄スカートをはいた、ほんわかした雰囲気をもった女性にも話しかけてみる。50代前半の彼女に、結婚歴はない。 「母とふたり暮らしで息が詰まる。仕事先も女性ばかりで出会いがない。結婚して精神的に楽になりたいから、休日はパーティーによく来ます」 やる気満々。彼女の友人は、婚活パーティーで知り合った人と結婚したそうだ。人を変えて話をするよう司会者から指示が入る。隣に男性がやって来た。来たのはいいがカードばかり見ている。こちらが相手の仕事の内容を聞くと、滔々としゃべり出す。 知らない業界の話は興味深いから「へええ」と相づちを打ちつつ聞いていたが、最後まで彼がこちらに質問を向けることはなかった。 フリータイムも終了。気に入った人の番号を書いて司会者に渡す。同時に番号札も回収された。司会者が集計し、4組のカップルが誕生と発表があった。番号で発表されるので、誰と誰がカップルになったのかわからない。誰かが自分を書いてくれたのかどうかもわからないままだ。 先ほどの花柄スカートの女性は誰かとカップルになれたようだ。彼女の視線を追うと年収1000万円と目線を交わしている。どうやら花柄系が成果を収めているようだ。彼女たちの共通点は黒髪で化粧が薄く、おとなしい感じ。ちなみに私は成果ナシ。 パーティーは1時間程度で終了。1時間で、来なければ決して知り合えない6人の男性と話せたのはよかったとも言えるし、あんな短時間では相手の人間性の一端をも知りえないとも思ったり。だが、その場で相手のことをよく知る必要などないのだと気づく。 第一印象がよくて、もう少し話してみたいと思える相手に出会うことが大事なのだ。その出会いを生かすことができるかどうかは本人次第なのだろう。 取材・文/亀山早苗