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WRCポーランド:初優勝目前のタナクに悲運。ミケルセンが劇的な2勝目

2016年07月04日 12:01  AUTOSPORT web

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勝利目前でトラブルが起きたオット・タナク(フォード・フィエスタRS WRC)
世界ラリー選手権(WRC)第7戦ポーランドは3日、SS18~21が行われ、前日まで総合首位につけていたオット・タナク(フォード・フィエスタRS WRC)がパンクにより失速。代わってアンドレアス・ミケルセン(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)が逆転優勝を飾った。

 初優勝目前だったタナクが悲運に見舞われた。タナクはここまで盤石の走りをみせ、土曜日のデイ3終了時点で約21秒と自身とDMACKブランドに待望の初勝利をもたらすに十分なリードを築いていた。また、フォード・フィエスタRSを走らせるMスポーツにとっても、2012年ラリーGB以来となる勝利となるはずだった。

 ラリー・ポーランド最終日はウエットコンディションとなり、タナクは雨とわだちの深い路面コンディションに苦戦。そして最終ステージ目前のSS20で右フロントタイヤが悲鳴をあげパンクしてしまい、40秒近くタイムを失ってしまった。
 これにより、タナクを追いかけていたミケルセンが逆転でトップに浮上。そのまま逃げ切って、昨年のラリー・イタリアでの初優勝に続き、劇的な形でキャリア2勝目を手にした。
「週末を通じてつねにプッシュを続けていたし、天候の影響で最終日は困難な状況になるとも思っていた。最後の2ステージはまるで戦争のようなだったし、すべては運だった」とミケルセン。

「オットには最終ステージの前に申し訳なく感じていると話したよ。でも、これも冒険物語であるラリーだ。とても予測不可能な、ね」

 前日まで砂が浮く超高速ステージで抜群のスピードを見せつけてきたタナクだが、フィニッシュ後に「僕に言えることは何もない。自分にできるすべてを行ったけど、何も得られなかった。本当にハードだ」と、やるせない表情で答えた。

 ミケルセンは選手権ポイントで首位のセバスチャン・オジェに続く2位に浮上。今回3位を獲得したヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20 WRC)がランキング3位となっている。

 WRC第8戦フィンランドは7月28日~31日に行われる。