2015/2016シーズンのフォーミュラE第9戦ロンドンePrixは2日、決勝レースが行われ、ニコラ・プロスト(ルノー・e.ダムス)が今シーズン初めての勝利を手にした。
レースウイナーのプロストは、ポールポジションからスタートしてゴールまでトップを快走した一方で、中盤グリッドからスタートし、タイトル争いを繰り広げているルーカス・ディ・グラッシ(アプト・シェフラー・アウディ・スポート)とセバスチャン・ブエミ(ルノー・e.ダムス)はし烈なバトルを繰り広げた。
ディ・グラッシとブエミは、それぞれ10番手、12番手グリッドからスタート。2周目には9番手、10番手までポジションを上げた。3周目には、ディ・グラッシがニック・ハイドフェルド(マヒンドラ・レーシング)を交わすと、追いかけるブエミも翌周にはハイドフェルトをオーバーテイクし、ディ・グラッシに食らいつく。
ディ・グラッシの前を走るチームメイト、ダニエル・アプトはディ・グラッシに7番手の座を譲ると、その後は後続のブエミを何周にも渡って執拗にブロックし続け、同僚をサポート。12周目、ディ・グラッシはサム・バード(DSヴァージン・レーシング)を交わして6番手に浮上した一方で、ブエミはアプトの執拗なブロックにあい、ポジションを上げることができない。
レース中盤のピットストップ直前、ようやくブエミがアプトを交わすと、この周にバードが1周早くピットイン。これにより、再びタイトルを争うふたりがテール・トゥ・ノーズの状態となった。
ピットストップ後、ディ・グラッシとブエミはロビン・フラインス(アンドレッティ)をオーバーテイクし、5番手と6番手に浮上する。そして、その直後、アプトとフラインスが3コーナーで接触しリタイア。マシン回収のためにセーフティカーが導入された。
また、このタイミングでコースには雨が降り始めたものの、レースに影響を及ぼす雨量にはならず、すぐに雨脚は弱まっていった。
マシン回収が終わり、レースは残り10周で再開。ディ・グラッシは前を走るジャン・エリック・ベルニュ(DSヴァージン・レーシング)を8コーナーで追い抜こうとして接触。このアクシデントでディ・グラッシはフロントウイングを破損してしまう。
その後はマシンにダメージを負っているディ・グラッシをブエミが猛追。ファンブーストを使用して11~12コーナーのシケインで2回オーバーテイクを試みるも、どちらもディ・グラッシに軍配。ポジションが変わることはなかった。
レース残り2周となった31周目、3番手を走っていたオリバー・ターベイ(ネクストEV TCR)がクラッシュ。イエローフラッグが出される。
このタイミングで、6番手バードがブエミを交わして5番手に浮上する。バードは黄旗中にブエミを追い越したにも関わらず、そのまま5番手を走行し続けた。
しかし、バードは最終ラップの最終コーナーに差し掛かったところでバッテリーが切れてストップ。これにより、ブエミが再び5番手に浮上して、そのままチェッカーとなった。
プロストに続く2位はブルーノ・セナ(マヒンドラ・レーシング)が獲得、3位にジャン-エリック・ベルニュ(DSヴァージン・レーシング)が続いた。そして、ディ・グラッシが4位、ブエミが5位に続いたため、タイトル争いは3点差と接戦のまま。タイトルの行方は3日に行われる最終戦ロンドンePrixに持ち越しとなっている。