2016年F1第9戦オーストリアGPは、7月2日にフリー走行3回目が行われた。気温24度、路面温度42度。豪雨に見舞われた金曜日のフリー走行2回目からは打って変わって快晴となった。ドライコンディションのもと、予選前最後のセッションを制したのは、フェラーリのセバスチャン・ベッテル。2位にはチームメイトのキミ・ライコネンが続いた。初日から好調が続いていたメルセデスのニコ・ロズベルグは、単独クラッシュによりセッション途中で離脱している。
ロズベルグは開始直後、チームメイトのルイス・ハミルトンとともにウルトラソフトタイヤを履いてコースイン、序盤はロングランのシミュレーションを行う。そこでフェラーリ勢はウルトラソフトのベッテル、スーパーソフトのライコネンがアタックを開始して、1分07秒台前半で1番手、2番手タイムを記録する。
メルセデス2台は、この時点でベストタイムは1分10秒台となっていたが、ロズベルグのリヤタイヤにブリスターのような症状が発生し、すぐにピットへと戻っている。
その間、ウルトラソフトを履くレッドブルのダニエル・リカルド、ウイリアムズのフェリペ・マッサ、バルテリ・ボッタスらがフェラーリ2台に続くタイムをマーク。するとウルトラソフトに履き替えたライコネンが、ベッテルをわずかに上回る1分07秒234を記録しトップに立つ。
残り約35分となったところで、マクラーレンのフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンもコースイン。それぞれスーパーソフトで1分8秒台を記録してトップ10前後の順位で推移する。
そして、残り25分を切ったところで、ロズベルグがコースに復帰。ところが2コーナーの立ち上がりで突如姿勢を乱し、コントロールを失ったままウォールに激突。縁石に乗って左リヤのアッパーアームを破損し、コントロールを失った模様で、そのまま赤旗中断となってしまう。ガレージでは、ハミルトンのマシンも入念にチェックされる。
残り12分でセッション再開。真っ先にコースインしたベッテルが3コーナーのブレーキングでミスを犯しながらも1分07秒098をマークしてタイムシートのトップに立つ。ハミルトンは2位ライコネンに肉薄するタイムを刻むも3位。4、5位にはレッドブル2台、6、7位にはウイリアムズ2台が続いた。マクラーレンはバトンが9位、アロンソが10位とトップ10圏内で終えている。
離脱したロズベルグは、結局序盤に出したタイムを更新できずに最後尾。予選に向けて不安の残るセッションとなってしまった。なおベッテルは、ギヤボックス交換により、すでに5グリッド降格のペナルティが確定している。
予選は、このあと7月2日(土)日本時間21時(現地時間14時)から開始となる。