マクラーレンホンダのジェンソン・バトンは、オーストリアGPで使うタイヤの空気圧が”信じられないほど高い”ことに週末は難しいレースになると懸念を漏らした。
バトンは、次戦のレッドブルリンクで使うタイヤ空気圧が昨年から”4psi”上げられたことを明かした。これに対しタイヤサプライヤーであるピレリは、すでに多くのチームが高い空気圧で走っていることと、実際スタート時の空気圧は4psiまで上がっていないと主張。今年のクルマは一周あたり2秒ほど速くなっているため、これ以上のリスクはまったく許容できないと加えた。
それでもバトンは「昨年はこのような問題は見られなかった。(このタイヤ空気圧は)信じられないほど高い。フロントグレイニングは懸念材料になりそうだ。ここ(オーストリアGP)ではソフト、スーパーソフト、ウルトラソフトを使うとなると、タフなレースが予想される。全チーム苦戦を強いられる週末になるだろう。できるだけタイヤを冷やしたり、エンジンブレーキの負荷など試行錯誤する必要がある。全く残念だよ」と不満を漏らした。
今シーズン、タイヤ圧はシーズンを通して全体的に上がってきているが、レッドブルリンクのコースレイアウトの特性によって、タイヤの空気圧の問題は今まで以上に大きくなるとバトンは感じている。
「ここ(レッドブルリンク)のコーナーは高速と中速だ。左フロントの負担がかかり、多くのドライバーがタイヤのグレイニングに苦戦すると思う。コントロールがトリッキーで困難なものになるだろう」
バトンは以前、ピレリから今年のタイヤ空気圧について提案があったこととそれが守られていないことを明かし、彼らが高い空気圧を設定している状況について自身の見解を語った。
「僕らは昨年末、2016年のシーズンはタイヤの空気圧は下がるとピレリから言われていた。だがそうなっていない。厳しい状況だよ。彼ら(ピレリ)はセーフティカー後のタイヤの冷えた時の低い空気圧や、一部のチームで行われている、スタート前のチェック後に空気圧を下げる事例などに目を向けている。これらが空気圧の設定を高くしている要因だと思うけど、最低基準がとにかく高すぎるよ」