総務省が6月29日に発表した2015年の国勢調査の抽出速報集計結果で、総人口に占める65歳以上の人口の割合が26.7%と過去最高になり、もはや4人に1人が高齢であることが分かった。
日本人の平均寿命も年々伸びており、2015年の統計では男性は80.50歳、女性は86.83歳。今後ますます高齢化社会になっていくことが予想されるが、高齢者自身の気持ちは若々しいようだ。
6月24日に博報堂生活総合研究所が発表した「シルバー30年変化」の調査結果によれば、60~74歳のシルバー世代に「自分の気持ちや精神年齢が何歳くらいだと思うか」聞いたところ、実年齢マイナス14歳、平均53歳になったという。
94%が「子どもに経済的な負担はかけたくない」と回答
同調査には首都圏に住む60歳~74歳の男女700人が回答した。「体力や健康状態を何歳だと思うか」を聞いたところ、実年齢マイナス7歳に、「自分が周囲から何歳くらいに見られていると思うか」では実年齢マイナス5歳となった。自分の中では、まだまだ若いと感じている高齢者が多いようだ。
また、「あなたにとって60代とは人生のどんな時期にあたるか」という質問では、「再出発の時」と答える人が2006年の47.6%から52.9%に伸びた。1986年では39.0%だったため、この30年で気持ちが若々しくなっていることが読み取れる。何歳まで生きたいかという「希望寿命」も長くなっており、1986年には80歳だったが、2016年には84歳になっている。
実年齢より体力や気持ちの年齢が若いと自負しており、これからの人生に希望を持っているように見える高齢者だが、意外と生活の見通しは暗いようだ。「先の見通しは明るいか? 暗いか?」を聞いたところ、「暗い」と答えた人が46.7%。30年間で15.1ポイント上昇している。
また、「今、あなたが欲しいものは何ですか?」と選択式で聞いたところ、「お金」と答えた人が40.6%、「幸せ」と答えた人が15.7%という結果に。30年間で逆転現象が発生し、その差はどんどん広がる一方だ。背景には、老後のことがあるようだ。94.2%の人が「子どもに経済的な負担はかけたくない」と回答している。
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