オーストリアGPの木曜ドライバー会見は、こういっては何ですが、旬な話題があるわけではない少しばかり地味な顔ぶれ。FIAとしてはフェラーリのシートをめぐる噂についてキミ・ライコネンとダニエル・リカルドという当人同士の掛け合いを目玉にしてやろうという魂胆だったのかもしれませんが、レッドブルがリカルドを含むドライバー4名と契約延長したことが明らかになってしまったものだから、やや肩すかしを食らった感は否めない会見となってしまいました。
そんなわけで自然と前列中央にはリカルドが座り、契約延長の話に。「2018年まで延長されたそうですが?」という司会者からの質問に「そうだね、え~っと、そう」と、なんだか歯切れの悪い答え。「くわしく話してもらえませんか(笑)」と司会者から突っ込まれ「ひとこと話せば10にも30にも50にもなっちゃう人間だから……」と言いながらも「他の選択肢を考えたことも事実だけど」とフェラーリ移籍の可能性があったことを認めました。しかし「僕は勝ちたいし、メルセデスを倒すチャンスが一番大きいと思ったからレッドブルに留まることにした」と決断の理由を明言。
■フェルスタッペンの話題に、口を尖らせるクビアト
同時にレッドブル残留が決まったマックス・フェルスタッペンについて聞かれると、リカルドは「スペインGPではちょっと騒がせてくれたけど、お互い激しくプッシュしあって、いまのところは良い関係だよ」と回答。その間、隣に座った元チームメイトのダニール・クビアトは無表情を装いながら聞いていましたが、口が尖ってしまっていたのは、ここだけの話です。
そんなレッドブル系ふたりに対して、レッドブルリンクが1980年代以前の旧コースレイアウトに改修する計画があるという話について質問が飛ぶと、「来年マシンがさらに速くなるし、1周が1分を切るかもしれない。1周の距離が長くなるのは良いことだと思う」と、リカルドは冷静な答え。
クビアトが「昨日の夜その旧コースの映像をYouTubeで見ようと思ったんだけど、Wi-Fiが遅くて……」と言うと、隣のリカルドが「違う動画ばっかり見てただろ?」と下卑た表情でツッコミ。「残念ながら違うよ、ダン!」とクビアトが返したものの「別に謝る必要なんかないよ」と聞く耳を持たないリカルド。
会見場は爆笑に包まれ、結局は約40分間に及んだ木曜会見は和やかな雰囲気とともに幕が閉じたのでした。おあとが、よろしいようで……?