長い人生の中で、自分自身にスポットライトが当たる数少ない機会の一つが結婚式だ。新郎新婦の門出を祝うため、親族や友人たちが駆けつけ、会場は幸せな雰囲気で満ちあふれる。2人の一生の記憶に残る特別な一日だ。
だが、最近のカップルでは結婚式を行わない「ナシ婚」も増えているという。そこで、カップル専用アプリ「Between」(運営:VCNC Japan)と、 結婚式場のクチコミサイトを運営するウエディングパークが共同で、若い世代に結婚式の良さを体験してもらおうとイベントを企画。6月29日、老舗結婚式場の目黒雅叙園(東京)に学生カップルを招待し、模擬挙式を体験できる「ウェディングごっこ」を開催した。
「学生さんにも『結婚式って素敵』と想える機会を体験してもらいたい」
今回のイベントは、昨年11月に表参道で行われた「結婚式場でウエディングごっこ♪」に続く第2弾。前回は洋装だったが、今回は「クールジャパン」が注目されているということもあり、日本でしかできない和装にフォーカスした。
現在、婚姻したカップルの半数以上が挙式をしない「ナシ婚」を選択している。主催側は、「ナシ婚」の背景には、少子化で親戚の数が少なくなっていることや、晩婚化が進み、10代~20代のうちに結婚式に参列する機会が少なくなっていることがあると指摘。VCNC Japan広報の岸田洋子さんは、
「実際は結婚式はすごく良いことなのに想像がつかなくなっている。是非学生さんにも『結婚式って素敵』と想える機会を体験してもらいたい」
と企画の意図を説明した。
この日は高校生から大学生のカップル13組26人が会場に訪れた。本社造りの神殿「大巳殿」で執り行われた模擬神前式は、静岡の神社から神主を呼んで行い、まさに本番さながら。雅楽の演奏や巫女の舞う様子、祝詞奏上など、はじめての神前式の雰囲気に学生たちは圧倒された様子だった。
高校2年生、交際歴8か月のカップルも将来の結婚式を意識
模擬挙式に参列した後は、男女に分かれて、最近和装ウエディングで流行している「扇子プロップス」を作るワークショップに参加した。作成後はお互い贈り合うということで、相手の趣味や好みを考えながら各々が装飾に工夫を凝らしていた。
扇子プロップスの交換は、結婚式を模した「絆式」という形で、和装宴会場の能舞台の上、先ほどの模擬挙式の新郎新婦が見守る中で行われた。交換の際は、相手へのメッセージということで、「今日でちょうど7か月だけど、これからもよろしくお願いします」「私の愛の大きさを込めて作りました。これからもよろしくお願いします」と想いを伝えていた。
キャリコネニュースは参加した学生に話を聞いた。ともに大学4年生の中川舜さん(22)と佐藤有紀さん(22)は高校1年生の頃から付き合っており、交際歴は5年8か月。出会いのきっかけは舜さんが野球部に、有紀さんがチアリーディング部に所属していたことだというから、まさに理想の青春を具現化したようなカップルだ。
今回のイベント参加について、有紀さんは「結婚式に興味があって申し込みました」と語る。模擬挙式などを体験し、お互いに結婚したいという気持ちが高まったという。また、イベントについて、
「こういう機会がないと、手作りのプレゼントをしあう機会があまりないので。気持ちがこもったものが貰えて嬉しかったです」
と笑顔で話した。
会場には、制服姿で来場している高校生のカップルの姿も。川浦充治さん(16)と早野有咲さん(16)はともに高校2年生。交際歴は8か月だという。16歳というと結婚はまだ遠いことのように思えるが、イベントに参加したことで「将来結婚式を挙げたい」という気持ちが強まったそうだ。理想の結婚式を聞いたところ、
「洋装でやりたいと思います。昔からお姫様とかが大好きなので、そういうのをテーマにしたものを出来たら嬉しいなと思います」
「僕は特にこだわりないんですけど、(彼女が)喜んでくれればいいなって思います」
とはにかみながら答えてくれた。
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