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『ウォークラフト』ダンカン・ジョーンズ監督、ピーター・ジャクソンへの賞賛とゲーム愛を語る

2016年06月30日 16:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『ウォークラフト』ダンカン・ジョーンズ監督(c) 2016 legendary and universal studios

 ブリザード・エンターテイメントの同名人気ゲームを実写映画化した『ウォークラフト』より、ダンカン・ジョーンズ監督のオフィシャルインタビューが到着した。


 本作は、『月に囚われた男』『ミッション:8ミニッツ』のジョーンズ監督が手がけたファンタジー。剣と魔法の世界“アゼロス”を舞台に、騎士ローサーら人間たちとグルダンらオークたちの壮絶な戦いを描く。


参考:ゲーム原作映画『ウォークラフト』、伊藤暢達による描き下ろしイラスト&特別映像公開


 これまでSF作品を中心に手がけてきたジョーンズ監督。今回初めて挑戦したファンタジーというジャンルについて、「SFにはすでに、都会的で薄汚れた感じの『ブレード・ランナー』、ツヤがあってアップル・テックのような見た目の『マイノリティ・リポート』、そして『2001年宇宙の旅』、『オブリビオン』など、いろんな違うルックや雰囲気がある。でも“ファンタジー”はそういったものをそれほど持っていない」と、SFと比較をしながら、「『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソンが、最も大切な最初のステップを作ったんだ。それはファンタジーを映画として扱い、それを美しい作品として作り、美しく撮影することだよ。だから、すべての称賛はピーター・ジャクソンにある。彼が、ファンタジーがどんなものになりうるかといったことのレベルを構築した。そしてそれこそが、僕らの基準で到達しないといけないレベルだ」と明かす。続けて、「今度は僕らの世代や他のフィルムメイカーたちが、『オッケー、そういったことがやれるんだね。じゃあそこから今後は次の挑戦をしてみよう。僕らもそのレベルに達しないとダメだけど、でもよりスタイリッシュで、違うことがやれるさ』と言うようになるといいね」と、ファンタジーの今後の期待を口にする。


 ゲーマーを自称するジョーンズ監督は、「僕はこの映画にピッタリの観客でもある。そして、たまたま僕が監督することになった。僕は運よくこの作品に関われることになったんだ」と、長年にわたって原作ゲームをプレイしてきたことを明かしながら、「興味深いのは、とても面白くて良いコミックブックの映画がこの10年ぐらい続いていることだ。そして、そういった映画を今作っている人たちは、子どもの時に、コミックブックを読んでいた。僕は今、子どもの時にコンピューターゲームをプレイしてきた人たちの世代が映画を作っていると信じたい。僕はその最初の世代の1人なんだ。そしてそれは、ビデオゲームを基にした素晴らしい映画の数々が今後観られるようになることを意味していると期待したいね」と、アメコミ原作映画と比較しながら、ゲーム原作映画への期待を語る。


 ビデオゲームを実写映画化することについて、ジョーンズ監督は「映画の題材はどんなものにすることもできると思っている。デヴィッド・フィンチャーがFacebookを基にした映画を作るというニュースが最初に出た時のことを覚えているよ。誰もが、“世界一馬鹿げたアイディアだ”と思っていた。でも、すべては、その題材でどんなことをするか、どこでキャラクターを見つけるか、そこに語れるストーリーがあるかどうかなんだ。そして僕にとって、『ウォークラフト』には、間違いなくそういった要素があった」と、正しいストーリーを見つけることがチャレンジだったとコメント。


 これまでハリウッドでビデオゲームの映画が成功していないことについても、「それがこの作品をやりたかった理由のひとつ」と明かしながら、「毎回ゲームを基にした映画が出る度、よくないと傷ついていた。ゲームを基にお金を稼ぐチャンスだと考えないで、その映画をどんなものにしたいか知らないといけない。ファンたちが観に来たら、自分たちの家に来たように感じてもらいたいんだ。そして、ゲームを知らない人たちを連れてきていたら、彼らはその人たちに向かって、『だから僕は、『ウォークラフト』が大好きなんだ。これが僕が大好きな理由なんだ』と言える映画にしたかったんだ」と、今回の作品への思い入れを語った。(リアルサウンド編集部)