トップへ

内田彩が“ハルカカナタ”のファンに届けた歌と言葉 “武道館前”最後のワンマンライブをレポート

2016年06月29日 19:01  リアルサウンド

リアルサウンド

内田彩

 内田彩が6月26日、パシフィコ横浜国立大ホールにて『AYA UCHIDA LIVE TOUR 2016 ~a piece of colors~』のファイナル公演を行なった。


(参考:内田彩の勢いが止まらないーー武道館公演も発表したコンセプトライブをレポート


 約1カ月前に行なわれたコンセプトライブ『内田彩 CONCEPT LIVE 【Bitter Kiss】/【Sweet Tears】』では、2月にリリースしたコンセプトアルバム『Bitter Kiss』『Sweet Tears』にちなんで、2公演でそれぞれのカラーを見せてくれた内田。8月13日には初となる武道館公演も決定し、デビューから1年半とは思えないリリースラッシュとともに、その勢いは加速するばかりだ。


 この日のライブは、宮崎京一(Gt.)、黒須克彦(Ba.)、村田一弘(Dr.)、櫻田泰啓(Key.)そしてバンマスの東タカゴー(Gt.)の5人をバックバンドに従え、アンコール含めた20曲を披露。序盤は「スニーカーフューチャーガール」「Breezin’」と疾走感のある楽曲で会場を盛り上げ、切なさを含んだポップロック「Sweet Rain」から、晴れやかな「Let it shine」、その勢いをさらにドライブさせる「Go! My Cruising!」、内田が「夏ですからね、熱いですから」と前置きし、ファンとともにタオルを振り回した「Growing Going」と、一気に駆け抜ける展開へ。


 ここでいったんバンドメンバーは退場。一人ステージに残った内田は、「心細いよー!」と言いながら、ペンライトを手にした。そして「このツアーは『a piece of colors』ということで、いろんな色を各地で集めて、武道館への道のりを!」と宣言し、客席の色彩をコントロールしていく。赤と青のペンライトが煌いた「color station」、横浜のサンセットが屋内に表現された「オレンジ」、各地の色(仙台はずんだの緑、大阪は笑いから連想したオレンジ)を決め、横浜では夜景をイメージした紫が会場に広がった「Sweet Dreamer」を歌い上げた。その後のMCでは、「いつもみんなには綺麗な景色を見せてもらっているので、今日は私も一緒にその一員になってみたいと思って考案した」と振り返った。


 「次の曲は黄色!」と宣言し、先日のコンセプトライブで振り付けを初めて披露したのは、カラフルなポップチューン「Party Hour Surprise!」。同曲をキュートに歌い踊ると、ピンク色が会場を包み込んだ「Floating Heart」を熱唱した。内田が「好きな色でいいからねー!」と叫んだ「Merry Go」では、ダンサブルな四つ打ちのビートとキュートな声に合わせ、5000人のペンライトが色鮮やかに点滅。楽曲の世界観を何倍にも膨らませていた。


 ライブは後半へ突入すると、内田はバンドメンバーを再度呼び込み、観客に紹介。「ここからはビシっとカッコよく歌いたいと思います!」と語り、「最後の花火」から「Like a Bird」、「絶望アンバランス」、「キリステロ」と“ロックな内田彩”を前面に押し出した展開に。何かが彼女に乗り移ったかのように、声色から一挙手一投足までが別人に見えるのは、演者としてのキャリアと実力があってこそだろう。経験したすべてのことが今に、武道館に、そしてその先へと繋がっていくのだと感じさせられた。


 最後の「Blooming!」前には、「みんながひとつひとつの種に見えるあの曲なんですけど」と告げると、何の楽曲が披露されるか察知したファンから声援を浴びる一幕も。内田は「いつもはピンク色ですけど、このツアーからはぜひカラフルな自分の色を、自分の花を咲かせて貰えたら嬉しいな」と呼びかけ、<咲き誇れ みんな>と歌い上げる彼女を、色とりどりのペンライトと一体感のあるコールが会場を包み込み、ライブ本編は終了した。


 歓声に応えて行なわれたアンコールは、スピーディーな展開とスウィートな歌詞が特徴の「ドーナツ」からスタート。内田は「後ろで着替えているとき、みんなのアンコールの声、これ(イヤモニ)を外すとすっごくうるさいよ(笑)。でもほんとにありがとうー!」とファンの熱量に感謝したあと、「ファイナルだけ特別に、ツアーで出会ってきたみんな、今日ここに来てくれたみんなにこの曲を」と語り「ハルカカナタ」を披露。最後に、地方で会ったファン、この日遠方から訪れたファンに向け、「色んな地方でライブができたらいいなと思います!」と語り、彼女が歌手活動をスタートした楽曲「アップルミント」でアンコールを締めくくった。


 7月のバースデーイベントを除くと、内田にとってはこれが武道館前最後の単独ライブ。その公演を良い形で締めくくったことは、きっと武道館への弾みになるに違いない。持ち曲すべてを披露するという武道館ライブは、内田の持つ“顔”をどこまで見せてくれるのか、ますます楽しみになるツアーファイナルだった。(中村拓海)


■セットリスト
1.スニーカーフューチャーガール
2.Breezin’
3.Sweet Rain
4.Let it shine
5.Go! My Cruising!
6.Growing Going
7.color station
8.オレンジ
9.Sweet Dreamer
10.Party Hour Surprise!
11.Floating Heart
12.Merry Go
13.最後の花火
14.Like a Bird
15.絶望アンバランス
16.キリステロ
17.Blooming!
En1.ドーナツ
En2.ハルカカナタ
En3.アップルミント