Tajima Rimac E-Runner Concept_One TEAM APEV with MONSTER SPORT
2016 パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム
レースレポート 6月26日 ファイナル(決勝)
6月26日(日) コロラドスプリングス・アメリカ - パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの記念すべき100周年記念大会の決勝レース当日を迎えた。TEAM APEV with MONSTERSPORTは、車両の最終セットアップを行って決勝レースに臨んだ。
午前8:00、天候は快晴、少し高めの気温のなか、決勝レースがスタートした。しかし気温が高くなった事でトップセクションでは残雪が溶けだし、コースがヘビーウェットとなりレースが一時赤旗中断された。また、コース全体的に滑りやすい箇所が多く、プラクティスからタイムを更新できないばかりか、クラッシュする選手も続出。赤旗中断が頻発し、レースの進行は大幅に遅れた。
この影響で、モンスター田嶋がドライブする『Tajima Rimac E-Runner Concept_One』のスタート時間も当初予定より約2時間遅れることになった。コンセントレーションを保つのが難しい状況にあってもパイクスピークを知り尽くしたモンスター田嶋は動じることなくスタートラインについた。
しかし、過去3日間のプラクティスとクオリファイでは十分に走ることができず、マシンの状態は十分に仕上がっているとは言えない状態であり、TEAMメンバー全員が一抹の不安を抱えてのスタートなった。
午前11時30分、モンスター田嶋がスタートしたが走行ペースが上がらない。スタート直後から、これまでにないメカニカルなバイブレーションが発生し、アクセルを全開にできない上に、バッテリーの発熱による温度上昇問題もあり走りをセーブせざるを得ない。しかしこのように厳しい状況ながらも、モンスター田嶋は慎重なドライビングで山頂までのコースをクリアし、無事にフィニッシュした。
いくつかのの問題も重なり記録更新はできなかったが、4年連続で9分台のタイムを記録し、TEAM APEV with MONSTERSPORTはエレクトリック・モディファイド部門で3位に入賞した。総合順位でも上位1~5位までのうち3台が、E-RUNNERを含む電気自動車(EV)となり、EVの優秀性が全世界に向けて証明された。
フィニッシュ後の山頂は、当初は晴れていたものの、突然雹混じりの雪が降り出し、長時間降り続いた。パイクスピークの厳しさを改めて痛感させられるできごとであった。
今年100周年を迎えたパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは、今後も続いていくだろう。来年以降もチームは、EVでの総合優勝および新記録樹立と、新技術を市販車にフィートバックするという目的のために、パイクスピークに挑戦を続けていく。
ドライバー モンスター田嶋 コメント
「決勝でもバッテリーの温度上昇問題があり、走りをセーブせざるを得ませんでした。コースの一部を走るプラクティスに比べ、フルコースを走る決勝レースではバッテリーに対する要求はさらに厳しくなります。また、プラクティス中には見られなかったメカニカルなバイブレーションも発生しており、厳しいレースとなりましたが、皆様のおかげで、今回私は29回目のパイクスピーク挑戦ができました。今までの功績を称えられてパイクスピーク殿堂入りすることもできました。今回発生した課題の対策をしっかり講じて、来年のレースに臨みたいと思います。応援ありがとうございました」