ゲームというと、最近はスマホをイメージする人が多いのではないだろうか。移動時間やスキマ時間に手軽に遊べることから日本では「パズドラ」を始めとしたスマホゲーが依然盛り上がっているが、6月26日、とあるツイッターユーザーがこのようなツイートをし、ネットで話題となっている。
「日本がスマホゲーに順応してしまって、海外が据え置きゲーがブイブイ言わせてるのって、欧米は休みが夏は一月ある上有給休暇もちゃんととれるのに日本は盆休みとか繋げてギリギリ1週間で有給休暇も白い眼で見られながらとるみたいな根本的なゲームが物理的に出来る時間の差な気もする」
ソフト1本消化するのに50時間以上、まとまった時間がないと難しい
投稿者はイラストやデザインの関連の仕事をしていると思われる人物だ。このツイートは2日あまりで約1万4000件リツイートされた。
実際、日本では据置型の人気がない。4Gamer.netの2016年2月の記事によると、PS4の日本での2015年末までの販売台数は約230万台。しかし一方で、北米では同時期までに約1377万台、欧州では約1410万台と、日本の約6倍売れている。もちろん人口の違いはあるが、プレイステーション史上ここまで差がついたのは初めてのことだという。
家に置いた据置機で遊ぶには、ある程度まとまった時間がなくてはならない。1本のソフトを消化するのに50時間以上かかることも普通だ。休めない上に、長時間労働が当たり前になっている日本の社会人の生活スタイルでは厳しい、ということなのだろう。前出のツイートに対し、ネットでも、
「大学卒業後は子供産む前ですら、退職の有給消化とかでしか据え置きゲームじっくりできなかったなぁ」
「そりゃ日本じゃ底辺からエリートまで学生やめたら人間やめるみたいなライフワークバランスだし」
と、賛同する声が出た。旅行サイト大手の米エクスペディアの調べ によると、2015年の日本人の有給消化率は世界26か国中で24位とワースト2位。「据え置きゲーをじっくりやる為の休暇が合法的に認められるべきだと思う」という意見が出るのも無理はない。
「置き場所に困る」「少子高齢化」など様々な意見が飛び交う
一方で、単純に有休の取得率の低さだけが原因ではない、という指摘も少なくない。日本、特に首都圏の場合、通勤時間が長いため、その合間にできるスマホゲーでないとダメ、という意見のほか、住宅事情が背景にあるという声もある。「(巨大な)XBOX 360の電源観てドン引きするのが日本人」というのだ。
据置機の不振は少子化が原因だとする意見もある。時間が有り余っているはずの子どもの数が減り、「なおかつ塾やら習い事でそもそも時間がなくてゲーム遊べない」。最近は、据置機に触れずに大人になる世代も出てきている。
また、海外では「コールオブデューティー」や「バトルフィールド」シリーズなど、据置機で遊べる、一人称視点(FPS)のリアルなグラフィックのゲームが人気だが、日本ではそれほどでもない。そのため「嗜好の問題だろ」という見方もあった。
様々な意見が飛び交っているが、日本人が働き過ぎで「可処分時間」が少ないのは間違いない。「ゲーム休暇」も含め、有休を取りやすくすれば、もっと生きやすい世の中になるだろう。
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