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ブエミ「2日間現実を受け入れることができなかった」

2016年06月28日 17:41  AUTOSPORT web

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5号車トヨタTS050ハイブリッドをドライブしたセバスチャン・ブエミ
6月18~19日に開催されたル・マン24時間耐久レースで、優勝目前まで迫りながらも突然のトラブルに見舞われた5号車トヨタTS050ハイブリッドのセバスチャン・ブエミは、「2日間現実を受け入れることができなかった」と衝撃を語った。

 ポルシェ、アウディ、そしてトヨタという3ワークスの争いに沸いた2016年のル・マン24時間は、レース後半以降首位を奪った5号車トヨタTS050ハイブリッドが2号車ポルシェ919ハイブリッドとの激闘を展開。終盤、ポルシェ2号車の緊急ピットインにより、勝敗は決したかと思われた。

 しかし、中嶋一貴がドライブし、チェッカーまで残り6分というところで首位の5号車トヨタTS050ハイブリッドに、ターボチャージャーとインタークーラーを繋ぐ吸気ダクト回りの不具合が発生。残り3分で2号車に首位を明け渡す結果となってしまった。

 この結果に対し、中継映像にはドライバーたちが落胆する様子が映し出されたが、アンソニー・デイビッドソンとともにピットで見守っていたブエミは、「僕はイライラしたし、怒りを覚えたし、2日間現実を受け入れることはできなかったよ」と心境を語った。

「これを運命と呼ぶのかなんなのかは分からない。なぜ24時間後じゃなくて、23時間55分でこんなことになるのか分からなかったんだ」とブエミ。

「僕はこの怒りが、なぜ“何ももたらさないのか”ということだと理解した。表彰台すらないんだからね。その後、僕は家族と少し時間を過ごしたんだ。素晴らしい時間が、僕にはこれだけじゃないと思い出させてくれたんだ」

「次のチャレンジに挑まなければならない。僕はまた来年戻って、勝利を目指す。そのときはもっと素晴らしいときが来るだろう」

 ブエミはまた、2015年のル・マンでポルシェ、アウディに対し劣勢となったトヨタが大幅な進歩を果たしたことを挙げ、トヨタがル・マンでの“ジンクス”を打ち破ることができる理由になるとしている。

「昨年、1周あたり4~5秒離されていた状況を考えたら、僕たちが今年成し得たことは素晴らしいことだろう。去年のル・マンの後から、少ない予算で新しいエンジンの開発をはじめたんだ」

「その結果、僕たちは強力になって帰ってくることができた。僕たちは2017年に向けて、バッテリーもシャシーもエンジンも大きく変える必要はないだろう」

「もし来年、同じ状況になったとしたら、ファイナルラップをどう終えたらいいかはまだ分からないけどね」