6月27日の「バイキング」(フジテレビ系)が取り上げたのは、現代社会に怒れる無職の人々の言い分。スタジオに集まった7名のニートの若者たちが、生放送で「言い分」を主張し、坂上忍らメンバーと討論した。
24歳男性Kさんの主張は「働くことがそんなに偉いのですか?」というもの。Kさんは現在一人暮らしの身で、親からの支送り月12万円と、ニコニコ動画の生配信で稼ぐ月数万円のお金で生活している。Kさんが世の中に向ける怒りはこうだ。
「僕はニートなんですけど、誰にも迷惑かけていない。別に犯罪とかを犯したわけではないのに、まわりから悪者みたいに言われる」
「客にビールが遅いと怒られ、心が折れた」
Kさんの主張を聞いて、引っかかりを感じた坂上は「(支送りをもらっている時点で)親には迷惑かけてるよね。親にはかけてもいい?」と尋ねた。するとKさんは「まぁ、親には、そうっすね」と答えた。
すでにイラっときている坂上は、Kさんのいう「働いていることがそんなに偉いのか」に対し、「偉いとかじゃなく、働いていることが普通だよね? 働いてないとなると、普通以下って言われてもしょうがなくなっちゃう」と言い切った。
これまで100以上の仕事にチャレンジしてきたが、どれも続かなかったというKさん。中華料理店を1週間で辞めた理由はこうだ。
「客にビール持ってくるのが遅いと怒られ、心が折れた」
他にも、スキー場のバイトは「寒かったから」、プールの監視員は「日焼けが辛かったから」、マンション管理人は「座っているだけかと思ったら違ったので」辞めた。面接を受けたコールセンターは、職場の雰囲気が和気あいあいとしていて「馴染めそうになかったから」辞退したのだという。
親が死んだら「お金持ちの女性に養ってもらいたい」
スタジオメンバーからは「弱すぎる」など非難の声が続々上がっていたが、確かにKさんが辞める理由には、なんじゃそりゃ! と感じるものが多い。ほんの少しでもイヤなことがあれば、すぐに「やーめた!」となるのは甘えではないだろうか?
坂上は「これ、辞めグセとかっていう次元じゃないでしょ。全部屁理屈じゃん」と呆れ顔だ。これほどまでにKさんが簡単に仕事を辞めるのは、根底にこんな考えがあるからだ。
「時間はお金じゃ買えない。若い時ほど楽しむべき」
Kさんは「若い時に苦労してお金を稼いでも、結局年を取った時に使い道がないんじゃないかと思って。若いうちはラクして、年取ってから苦労した方がいい」と続ける。若いうちの苦労は買ってでもしろという声もあるのに、これはなかなかリスキーな考えだ。
Kさんのアッパレ具合はさらに続く。ずっとKさんの話を聞いていたブラックマヨネーズの吉田敬が「もしも親御さんに何かあったらどうするつもり?」と尋ねたところ、返ってきたのは驚愕の答えだ。
「とりあえず、まぁ、お金持ちの女性とか見つけて養ってもらいたい」
野々村真は「親が見てたら泣くよ」と漏らす
親がアカンくなったら他人かよ。ていうか凄い自信である。まさかヒモが将来の夢とは。思わず吉田は「(Kさんの)どこに魅力があんねん!?」と突っ込んでいたが、それにも負けじと返すKさん。
「30代の女性とかに、毎日熱烈なアプローチ受けてるんです」
ここで坂上は「ヒモこそスキルがいるよ。生半可じゃできない」とバッサリ。確かにただ存在するだけで貢がれるヒモなんて一握りで、大抵のヒモは女性の機嫌を良くしたり家事をしたり、なかなか大変そうだ。「Kくんの今までの実績から言うと、1週間で辞めると思う」と吉田がいうと、ホラン千秋は「1週間ももたないと思う」と続けていた。
その後、「親が要介護になったらどうするか?」という質問をされたKさんは、自分が散々世話になっておきながら「兄弟に任せる」とし、「自分ができることはない」と言い切った。テレビに顔出しで生出演して、そう発言できるとはある意味強い。
Kさん以外のニートメンバーも「支送りをもらえたり、実家に居座り続けられたりするのはスキル」「親からお金もらって生活できる人は、そうしてもらった方がいい」「社会が悪い」など各々の意見を述べていた。
たまらず「もしコレ、親が見てたら泣くよ」と漏らした野々村真には、「もうとっくに泣いてると思います」と返していたのが印象的だった。(文:みゆくらけん)
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