F1ヨーロッパGPで、セルジオ・ペレスが表彰台を勝ち取ったフォース・インディア。多くのチームと同様にローダウンフォース型のウイングを持ち込んでいたが、それにも増して重要な変更点はERSのクーリングにあった。
フォース・インディアは昨年メルセデスが行ったのと同じように、ERSの冷却を改善するため、ギヤボックスの上にあるERS冷却水のラジエターを従来よりも大きくしてきたのだ。新型のラジエターは幅が広がったため、ボディワークも変更する必要があり、ちょうどエンジンカバー上部の「KINGFISHER」のロゴのあたりにバルジ(ふくらみ)ができている。
高速型ストリート・サーキットのバクーではブレーキングの時間が長く、それだけMGU-Kや制御エレクトロニクスなどエネルギー回生に関わるハードウェアの負荷も高くなる。したがって、こうして冷却容量を増やしてやれば、レース中にエネルギー回生システムをフル稼働させても、オーバーヒートで出力抑制を強いられるリスクを抑えることができるのだ。