フェラーリ製パワーユニットを使用しているザウバーは、来月シルバーストンで開催されるイギリスGPで、アップデートされた新型ターボを投入する予定だという。
フェラーリは6月中旬のカナダGPで、エンジン開発トークン2つを使って新型ターボをワークスチームのエンジンに導入した。これにより、32の開発トークンのうち、残りはわずか4つとなった。このアップデート版のターボは、カスタマーチームであるザウバーとハースにはまだ供給されていない。
ハースのチーム代表ギュンター・シュタイナーは、バクーで報道陣の質問に答え、新型ターボはシルバーストンから使用すると述べていた。したがって、ザウバーも彼らと同じタイミングで、フェラーリ製パワーユニットのアップデートを受けることになる。
また、ザウバーはイギリスGPで小規模な空力のアップデートを投入する予定で、さらにその次のハンガリーでの導入を目指して、新型のフロントウイングとリアウイングも準備しているという。
ザウバーのチーム代表モニシャ・カルテンボーンは、チームの財政状況を改善すべく、新たなスポンサー候補との交渉を続けている。チームは手元の資金不足のため、今年に入ってからスタッフの給与の支払いがたびたび遅れ、マシンの開発もままならない状態に陥っている。
だが、バクーでは、フェリペ・ナッセがハースとルノーのドライバーたちを上回り、ジェンソン・バトンのマクラーレンからもそれほど遠くない12位でレースを終えた。ザウバーにとって、これは今季これまでのベストパフォーマンスに並ぶ成績だった。
カルテンボーンは、このナッセのパフォーマンスが、スタッフの士気を高めるのに役立ったと語っている。
「バクーでは、私たちの周りのチームと正面から戦い、彼らを上回る競争力を示すことができました。その意味で、ふたりのドライバーは優れた仕事をしたと言えます。チームのモチベーションを保つのが難しくなっているなかで、この成績は大きな後押しになりました」
「これにより、みんながまた団結して、『まだやれるぞ』という気持ちになりました。これはポジティブな兆しであり、チームにとって良いことです」
「私たちは、チームを再び軌道に乗せようと努力しています。クルマもドライバーたちにとって、もっと乗りやすいものになるでしょう。このチームをもう一度安定させるために、自分たちにできる限りのことをやっていくつもりです」