インタープロトシリーズの第3戦/第4戦が、富士チャンピオンレースと併せて6月25日~26日に富士スピードウェイで開催された。土曜日に行われたプロフェッショナルシリーズの予選は、あいにくの雨模様。ポールポジションを中山雄一(IPS-01)が獲得するも、日曜日になって天候は回復してドライコンディションに。第3戦では石浦宏明(INGING MOTORSPORT)が逆転優勝を飾るが、第4戦では中山が最終ラップの逆転で雪辱を果たしている。
IPSことインタープロトシリーズの第3戦/第4戦は、CCS-Rクラスの3台を加えた12台での戦いに。その予選が行われた土曜日は、早朝から霧雨に見舞われ、スケジュールにも変更があり、当初、予選の計測は20分間の予定だったが、15分間に短縮された。
全車がウェットタイヤを装着して挑んだプロフェッショナルクラスの予選では、計測開始とともに中山がトップに。途中1コーナーでコースアウトした車両を回収するため赤旗中断があったものの、その間にコンディションも向上。そんな変化をものともせず、中山はさらにタイムを詰めてポールポジションを獲得する。
「今回、ジェントルマンクラスでクルマをシェアするのが(賞典外の)山下健太選手だったので、練習ではいつも以上に走らせてもらえたから、クルマのセットも進んで、僕も調子良かったんです。ただ、走ったのは全部ウェットで、ドライも1回あったんですが、そこは僕、走っていなくて。決勝はどうなるか分かりません」と中山。
2番手にはコンマ6秒差で坪井翔(J-Gear7 &とおる君)がつけ、3番手は平手晃平(TAO Racing)、4番手は松田次生(J-Gear & air-J)、そして5番手は石浦が獲得した。
予選のあとに天候は急速に回復し、土曜日のうちにドライコンディションへ。そして、日曜日には好天に恵まれ、中山が心配していたドライコンディションでの戦いとなった。第3戦は8周での争い。中山が少し胸を撫で下ろしたとすれば、決勝の前に行われた体験走行で坪井のマシンにギヤトラブルが生じ、リタイアを余儀なくされたことだろう。
だが、そのぽっかり空いたグリッドをかいくぐるかのように、早々と2番手に上がってきたのが石浦だった。1周目を終えた時点で石浦は中山の背後に迫り、3周目の1コーナーではトップに立つ。
しかし、中山も負けてはおらず、石浦にピタリとついて逆転のチャンスを待つ。1コーナーでは何度もけん制をかけるも、石浦のガードは鉄壁。結局、逆転は許されぬまま8周を終え、石浦が優勝を飾り、中山は2位に。3位は予選8番手から着実に順位を上げてきた、ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)が獲得した。
短いインターバルを挟み、続いて10周による第4戦が行われる。グリッドは第3戦の順位で決定。ポールポジションからスタートを切った石浦は、トップで1コーナーに飛び込んでいくが、引き続き中山が食らいついて離れない。さらにトップ争いはクインタレッリも加え、激しい三つ巴状態が、しばらくの間続いていく。
まずは4周目の2コーナーで、中山をクインタレッリが捕らえて2番手に浮上。だが、5周目の1コーナーで中山はすぐに抜き返す。そして、第3戦のように今度は石浦にも迫っていき、1コーナーでは何度も並びかけるも、逆転するまでには至らない。
しかし、チャンスは一度だけ訪れた。最終ラップの1コーナーで石浦が姿勢を乱し、そこで並んだ中山はコカコーラコーナーまでに、前に出ることに成功する。「ストレートは石浦さんの方が速く、1コーナーで横に並んでも抜けずにいましたが、ブレーキがきつそうだな、とは思っていたんです。そうしたら最後に! 何とかトップに立てて良かったんですが、すごく疲れるレースでした」と中山。久々の優勝に、してやったりの表情を見せていた。
一方、石浦は「実はトラブルを抱えていたんですよ。ブレーキがリヤしか利かないような状態になっていて、そんななかでも最初のレースは逃げ切れて良かったんですが、2レース目には最後の最後に……。フラフラッとしたばかりか、シフトミスもしてしまって。まぁ、仕方ないですね」とコメント。やるだけのことはやったという満足感もそこにはあったようだ。そして、3位は2戦連続でクインタレッリが獲得した。
混走のCCS-Rクラスは、第3戦で新田守男(AREA86倉敷CCS-R)、ナニン・インドラ-パユーング(P.MU RACING CCS-R)、そして脇阪薫一(NTP RACING NC CCS-R)による、激しいトップ争いが繰り広げられ、何度もトップが入れ替わったものの、最後に笑ったのは脇阪だった。
しかし、第3戦は中盤から新田が「実はタイヤを第3戦では温存していました」と、中盤からは逃げ切りに成功。優勝を分け合うこととなった。
そしてジェントルマンクラスでは初参戦の内田優大(J-Gear & air-J)がポールポジションを奪ったものの、第3戦はスタート直後の1コーナーでDRAGON(B-MAX・インタープロト)が逆転し、そのまま逃げ切って3連勝を達成。
第4戦もこのふたりによるトップ争いとなったが、4周目のヘアピンで接触し、その脇をすり抜けていったFLYING RAT(INGING MOTOR SPORT)が優勝。なお、2戦ともトップチェッカーは山下が受けているが、賞典外のため表彰台には登らなかった。