2017年卒の学生の選考が解禁されたばかりだが、2ちゃんねるに、先日気になるスレッドが立っていた。タイトルは「就職面接の質疑応答って全く無意味じゃね?」というもので、スレ主は「仕事なんてやらせてみるまで絶対わかんねーだろ」と書き込んでいる。(文:松本ミゾレ)
「本物のバカを落とす為のもん。会話すらままならない奴って意外に多いんだよ」
確かに、就活生の中には面接で質疑応答や自己PRをする際に、多少嘘を織り交ぜたり、オーバーな脚色をする人もいる。企業にとっては、いちいち発言の真贋を見定める必要があるし、「これは逸材だ!」と感じて入社させたら、全然ダメなこともある。
一見して有能に見える人材が、蓋を開けてみれば……というのは世の常だし、その逆もまたよくあること。面接に適した性格の人間が、職務にも適しているという保証は、確かにない。
一方でスレッドには様々な意見が寄せられている。いくつか簡単に紹介していきたい。
「仕事やらせてみないと分からないって落とされた人の常套句だけど、博打でヤバイ人採用するより堅実に真面目な人を採用したほうが失敗少ないもん」
「本物のバカを落とす為のもん。会話すらままならない奴って意外に多いんだよ」
と、まあこんな感じに、割と茶化すでもなく、真面目な声が目立っている。どうしようもない馬鹿を弾くために面接はあるのだと言われてしまえば、僕はもう何も言えない。
筆記試験だけが優秀で、対人スキルが皆無な人材を入れても周囲が困るだけだろうし……。言葉は悪いけど、そういう困った人材を取り除くために、面接はあるのだろう。
学歴があっても自己PRが下手で落とされるのは虚しい
結局のところ、面接は意味があろうとなかろうとやる企業がほとんどだ。なので、就活生としては、やる以上は結果を残したいし、そのためには多少オーバーな表現も許されると思う。ちなみに自分は、14年前に受けた、高卒をとってくれる某社の面接では、「高校3年間はサッカー部で、チームワークの大切さを学びました!」と熱っぽく訴えたが、実際には弱小駅伝部だったし、チーム仲も悪かった。
一方で、大卒で面接に臨んだ人の中には、面接でろくに自己PRができないために、落とされてしまった人もいた記憶がある。大卒であれば確実に、当時の僕より学があったはずなのに、それぐらいで落とされるとは、なんとも虚しい気持ちになった。
しかし、面接を受け持つ人事の人々にしたって、せめてまともにコミュニケーションのとれる人材を採用させたいだろう。面接を担当する側も仕事としてやっているわけで、面接では挙動不審だったけど、実は優秀なのかも、というリスキーな人材を採ることはなかなかない。
企業はまともな人材を採用したい。就活生はなんとかもぐりこみたい。なので、面接はそういうものと割りきってしまうのがいいだろう。
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