MotoGP第8戦オランダGP、MotoGPクラスは、オランダのアッセンで決勝レースを行い、ジャック・ミラー(マークVDS)が優勝した。
Moto2クラスの決勝レース終盤に降った雨で、MotoGPクラスの決勝レースもウエット宣言がされてスタート。しかし、スタート時点では雨脚は収まり、26周の予定でスタートした決勝は次第にライン上が乾き始めたパートとぬれたままのパートが混在する中で周回を重ねて行くことになる。
レース序盤をリードしたのはバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ)、アンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ)が2番手に続くが、後方から追い上げてきたヨニー・エルナンデス(アスパー・チーム)が3周目の3コーナー立ち上がりでロッシを交わしてトップに浮上する。
ところが9周目に入ったあたりでレッドクロス旗が振られ、再び雨が落ち始める。10周目あたりから雨はひどくなり、12周目の1コーナーでエルナンデスが転倒、ドビジオーゾがトップに立ち、ロッシが2番手となる。
11周目には追い上げ来たダニロ・ペトルッチ(プラマック)がロッシを交わして2番手に浮上。雨がますますひどくなる中、14周目を終えたところで赤旗が掲示され、レースは中断。
通常、MotoGPクラスはフラッグ・トゥ・フラッグレースのため赤旗中断はないが、今回は雨量も多く、異例の赤旗中断となった。
約30分間の中断を経て、雨が弱まったこともあり、レースは12周で再開。最初のレースの14周目のコントロールライン通過時の順でグリッドに並び、エルナンデスを除く20名のライダーが参加して、ウエット路面でスタートした。
再スタートレースでリードを奪ったのはドビジオーゾだったが、すぐにロッシがトップを奪い、1周目を終える。ドビジオーゾは2周目の12コーナーで転倒リタイア、ロッシが2番手のマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)以下に約2秒のリードを取って、独走態勢に入る。
ところが3周目の10コーナーで今度はロッシが転倒、再スタートできずリタイアとなる。これでトップに立ったのはマルケス。僅差の2番手にミラーが続き、ミラーは4周目のシケイン進入でマルケスを交わしてトップに立つと、リードを広げていく
。
空が明るくなり、路面が徐々に乾いていく難しいコンディションの中、ミラーはマルケスとのリードを少しずつ広げ、マルケスもリスクを負わず、周回を重ねたこともあり、ミラーがMotoGPクラス初優勝を達成。2位にマルケスが続き、ポイントリーダーの座をキープした。
3位にスコット・レディング(プラマック)が入賞。3番手は序盤からポル・エスパルガロ(ヤマハ・テック3)がキープしていたが、終盤にレディングが追いつき、11周目の1コーナーで3番手に浮上、レディングは昨年のサンマリノGP以来の表彰台を獲得となり、ポル・エスパルガロは4位でチェッカーを受けた。
5位にアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)、6位にエクトル・バルベラ(アビンティアレーシング)、7位にユージン・ラバティ(アスパー・チーム)、8位にステファン・ブラドル(アプリリア)。
マーベリック・ビニャーレス(スズキ)は最初のレース、再スタートレース共に低迷し、再スタートではスタート直後に大きくポジションを落として、9位でフィニッシュ。ホルヘ・ロレンソ(モビスター・ヤマハ)もどちらのレースも低迷。再スタートレースで10位に入賞し、ポイントを獲得したものの、マルケスとのポイント差は24ポイントに広がった。
ティト・ラバット(マークVDS)は転倒により1周遅れの11位、ダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ)も1周目に転倒し、再スタートして12位、ブラドリー・スミス(ヤマハ・テック3)も転倒を喫したが、再スタートして13位に終わった。
終盤まで5番手を争ったアルバロ・バウティスタ(アプリリア)は12周目に転倒リタイア、アレイシ・エスパルガロ(スズキ)、ロッシ、ドビジオーゾ、カル・クロッチロウ(LCRホンダ)、ミケーレ・ピロ(アビンティアレーシング)がそれぞれ転倒リタイアに終わり、ペトルッチはマシンストップでリタイアに終わった。