そんな中、人工衛星から送られてきた地球表面付近の新たな画像について、ニューカッスル大学(英)のLi Zhenhong教授、首都師範大学(北京)のChen Mi教授、アリカンテ大学(スペイン)のロバート・トーマス教授ほか7名の専門家がチームで解析を行った結果を専門誌『Remote Sensing』に発表した。もっとも深刻なのは、北京の新ビジネス街として急発展を遂げた「北京商務中心区(Central Business District))がある市中心の東側を大きく占める朝陽区。ここでは1年に11cmものペースで沈下が進んでいることになるという。彼らは『theguardian.com』の取材に、「建物や高速鉄道に及ぼす影響、危険性についてさらなる分析を進めている。早ければ今年後半にもその結果を発表したい」と語っている。
なお、地下水の使用量削減を早急に目指すべき朝陽地区は2015年1月、段階的に367個所の地下水汲み上げ施設を廃止するとの計画を打ち出した。また北京市も「South-North Water Transfer Project(南北分水プロジェクト)」を発足させ、6.7兆円の予算を組み、全長2,400kmの運河やそれに伴うトンネルの建設を進めたいと発表している。ここ数十年の間に土壌が乾いたスポンジのようになってきたといわれる北京。一刻も早い改善と設備の完成を祈りたい。