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WRC、議論呼ぶ出走順規則を見直しへ。来季、予選システム復活の可能性も

2016年06月25日 13:01  AUTOSPORT web

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2月のWRC第2戦スウェーデン以来、勝利から遠のいているセバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
世界ラリー選手権(WRC)の主催者は、8月に期日が迫った来季レギュレーション策定に向け、議論が交わされている出走順規則に関して、来月ポーランドでチームやドライバーと会合を行う。

 現在のレギュレーションでは、イベント最初の2日間はチャンピオンシップリーダーが1番手でステージを走行しなければならない。特にグラベルイベントでは、先頭出走は路面コンディションも悪くタイムを出しにくいことから、今季さまざまな議論を巻き起こしている。

 この規則にもっとも苦しめられているのは、現時点でポイントランキング首位につけるセバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)。オジエは、よりコンディションの整っている状態で出走する後続ドライバーに苦しめられており、2月のラリー・スウェーデン以来、勝利から遠ざかっている。

 FIAでWRCディレクターを務めるヤルモ・マホネンは、この出走順規定に関する議論は、現地24日にトリノで行われる世界モータースポーツ評議会(WMSC)で決着せず、9月に予定されている来季レギュレーション発表に間に合わない可能性もあると示唆した。

 マホネンは先週、サルディニアでチームとドライバーたちと話し合い、来月のポーランドでもまた話し合うという。そこで、規則がより明確化されると期待しているという。

「私はセバスチャン(・オジエ)を含め。多くの人間とこの問題について協議した。あらゆることを議論しているんだ」とマホネン。

「チームに9月のWMSCには間に合うよう、8月中には規則の骨子を決めたいと話した」

 また、マホネンはあらゆる可能性について検討を進めていることを明かしており、あるWRC関係者はポイントリーダーが競技初日のみ1番手で出走し、2日目以降は、当該イベントの暫定順位の逆順となるレギュレーションを復活させる可能性もあると示唆した。

 加えて、木曜日のセッションでトップタイムをマークしたドライバーが出走順を決める予選システムの復活もあり得ると述べている。


 シトロエン代表のイブ・マトンは、ポーランドでの話し合いはWRCの将来のために重要であるとしながらも、非公開で行われるべきだと語った。

「私は出走順に関する協議を行うことに前向きだが、これはメディアには非公開で行われなくてはならない」

「多くの意見があり、多くの噂が飛び交っている。これが論争が起きている原因だよ。だから可能であれば、チーム代表とドライバーが非公開の場で集まり、そこで協議した結果をFIAに送りたいんだ」

「唯一、私が言えることは一度レギュレーションを決めたならば、すぐにそれを変えてはならないということだ。毎年のように規則が変わるのは歓迎すべきことではない」