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なぜ「圧迫面接」はなくならないのか――「圧迫でストレス耐性がついた」と主張する社畜に震撼!

2016年06月24日 12:41  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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2017年卒業予定の学生の就職活動は「売り手優勢」といわれ、各企業が人員確保に奔走している。学生の就活への意識が高まっていることもあり、企業も学生の対応に注意を払うようになっているものの、中には「圧迫面接」を行っているところもあるようだ。

ツイッターには、「噂の圧迫面接… 落ちてても文句ない(笑) でも受からしてほしい(笑)」「みん就情報によると、明日明後日受ける会社は圧迫面接らしい 怖いよ~」といった声があがっている。

後輩のためにも「大学ごと出禁になってあげるべき」という人も

2014年のダイヤモンドオンラインの記事によれば、20代の社会人200人のうち圧迫面接を「受けた経験がある」と答えた人は12%。意外に少ないが、実際に圧迫面接を受けた人は年月を経ても鮮明に覚えているようだ。10年ほど前にIT企業で圧迫面接を受けたという人が、6月20日にツイッターにその経験を投稿した。

「圧迫面接、一度受けたけど『死ね』に近い言葉を何回言われても『仰る通りで御座います』『ご鞭撻有り難く頂戴致します』『有能な方々がおられる御社の面談をお許し頂き光栄で御座います』みたいな相槌打ってたら『いいねこいつ』みたいな話してて後日合格の電話あったけど電話口で死ねって言って逃げた」

このツイートは1万9000件を超えるリツイートがされ反響を呼んだ。「なんとも漢気を感じるエピソードじゃん!」と投稿者の対応に感嘆の声があがった。また、そのような会社であれば、それ以降の就活で後輩が同じ目に遭わないように自分が出禁になるような行動をした方がいいのではという意見も出る。

「大学の就職担当に『圧迫面接でもその場でキレたりしたら自分だけでなく将来受ける後輩にも迷惑がかかるから受け答えはちゃんとしろ』とか言われてたけど、そんな面接する企業は後輩のためにも敢えてメチャクチャな受け答えをして大学ごと出禁になってあげるべきだと思うんだ」

「圧迫面接の肯定って、奴隷の鎖自慢の一種では?」

これには、「後輩も圧迫面接されたらかわいそうだもんね」と賛同する声があがった。一方で、「圧迫面接にも理由があります」という人も。「顧客や消費者からの理不尽な意見や問い合わせにも冷静に受け答え出来うる人材」かどうかを審査するために圧迫面接は必要だというのだ。理不尽なことはいつ起こるか分からないため、対処できるかどうか見たいのだという。

「全ては台本通りに事が起きるとは限りません。顧客や消費者だけでなく得意先や同僚や上司が何等かの影響である日突然予想だにもしない事を言い出す事だってあります。その時でも感情に振り回されず適切な対処が出来る人が欲しいんです」

この人自身、圧迫面接を経験し、辛い思いをしたこともあるそうだが、

「圧迫されても冷静さを失わずに受け答えする技術は社会での色々な場面で大いに役立ちます。それを今、社会に出てからも私は実感しています」

と振り返った。しかしこれには、「クレーマー対応なら入社後に接遇訓練をすれば済む話」といった反論や非難が相次いだ。

「『圧迫面接にはこんな意図があるんです』とか言い出すのって、DV男を擁護する女のメンタルと変わらないと思うんだ」
「圧迫面接の肯定って、奴隷の鎖自慢の一種では?」

エヌ・アンド・シーが6月1日に発表した「就職活動に関する調査」によれば、「圧迫面接があるとの噂を見聞きした」時点で27.9%の学生が「絶対に就職しない(選考・内定を辞退する)」と考えるという。今の時代、圧迫面接でもしようものなら、ネットに書き込まれてさらに人材が寄り付かなくなる可能性もある。本当に人が欲しければやはり圧迫はやめておくべきだろう。

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