10月に香港で開幕戦を迎える予定のフォーミュラE2016~17シーズン。その開幕を前に、新規参入のジャガー・ワークスやアンドレッティ・オートスポートが新パワートレーンをラウンチするなど精力的なテストが続いているが、さらに将来的にフリーデザインとなるシャシー供給に向け新たなコンストラクターが複数名乗りを上げている。
エンジンマニュファクチャラーのメカクロームと、プロトタイプ・コンストラクターのアデスは、シャシーサプライヤーとして新たなデザインを提げて入札に勝つべく、テオス・パワートレーン・エンジニアリング社と提携。コントロール・シャシーの販売を目指してFIAに入札を申し込んでいる。このフランスの企業は、親会社のメカクロームとアデスの他、コンポジット企業のCDKテクノロジーズ、ECM社からなる複合企業体となっている。
メカクロームはかつてF1でも長く一線で活躍し、90年代ルノーのワークス活動撤退後はエンジンサプライヤーとして活動。現在もルノーF1のエンジンアッセンブリを担当し、GP2やGP3にもエンジンを供給している。
またシャシーデザイナーのアデスは「アドバンスド・デザイン・アンド・システムズ・ソリューション」の略で、LMP2マシンのロータスT128や、アジアン・ル・マン・シリーズで採択されたLMP3マシンなどの設計・製造を請け負った企業として知られる。
このテオスのフォーミュラEマシンは、F1でレッドブルが提唱したようなエアロスクリーンを備え、ドライバー保護にも配慮。アグレッシブなボディワークに、極端な低さのリヤウイングが特長的。さらに従来のエンドプレートの代わりに、両翼に接続されているC字形ウイングレットと大きな屋根ホイールアーチに囲まれた狭いサイドポッドも備えている。
現在、パワートレーン&バッテリーとシャシー・サプライヤーの入札には複数の申し込みが来ているとの情報もあり、以前にもコンセプトを発表したピニンファリーナ-マヒンドラなども、引き続きプロジェクトを進行させているという。
FIAは、現在すべての入札や申し込み案の検討を行っており、本日6月24日開催の世界モータースポーツ評議会(WMSC)にて、採用案の発表を行なうと見られている。