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発達障害の栗原類を育てた母の言葉に感動 「人生は長いマラソン。続けることが重要だよ」

2016年06月22日 19:40  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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1年前にNHKあさイチの「大人の発達障害」の回に出演し、自身も発達障害であることを告白したモデルの栗原類さん。出演後、発達障害のお子さんをもつ親御さんたちから「勇気づけられた」と大きな反響があったそうです。

6月22日放送の同番組で「子どもの発達障害」を特集した際にもゲスト出演し、ご自身の母親について語った場面が印象的でした。栗原さんは母子家庭で育ち、仕事も家事も子育ても母親がひとりで背負うことが大きかったといいます。(文:篠原みつき)

母子家庭で「親に苦労させてしまった」と語る

発達障害とは、ASD(自閉症スペクトラム障害)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、ADD(注意欠陥障害)、LD(学習障害)などの総称です。他人に興味がない、言葉の発達が遅い、こだわりが強いなどの特徴があり、本人はもちろん、親の生きづらさにもつながってくる問題です。栗原さんは幼い頃、ADDと診断されていました。

番組では、アメリカで生まれた「応用行動分析」(ABA)というトレーニング方法を紹介。基本は「ほめる」「手助けする」「子どもに主導権を渡さない」ことに努めます。番組では、日々指導されたトレーニング方法を実践している5歳の男の子のお母さんが紹介されました。

発達障害がなかったとしても、幼い子どもの世話は大変。根気よく毎日トレーニングする上、仕事や家事は待ったなしでは疲弊していきます。お母さんは「時間が取れない」「モチベーションを保つのが大変」という悩みも漏らしていました。

栗原さんは「子ども時代、お母様はどう関わってくれましたか?」という有働由美子キャスターの質問に「自分が苦労したというより、親に苦労させてしまったというのが大きかったですね」と語り始めました。

長く続けるためには「日々楽しくやること」

栗原さんのお母さんは、自分の時間も大切にしたいタイプの方だったので、やるべき事はやりつつ、ときには栗原さんを祖母に預けてモチベーションを保っていたとか。栗原さんは、母親が今もよく言ってくれるという言葉を明かしました。

「人生は徒競走ではなくて、長いマラソンなんだから、スタートダッシュでいきなり息切れしてリタイアするよりは、長く続けることが重要だよ」

栗原さんが2歳のころ「ちがう」が言えず、「ちあう」と言っていたときも、お母さんは笑ってくれてました。結局、半年くらい周囲に訂正されているうちに治ったそうです。もし無理やり直させたら、話すことが嫌いになってしまう可能性もありますから、お母さんの温かい見守りと周囲の協力が大きな助けになったのです。

ABAを使った療育を実践する医学博士・小児科医の平岩幹男さんは、長く続けるためには「日々楽しくやること。辛いと思いすぎると続かないので、スモールステップ化して少しずつ、焦らないことも大切」と助言しました。

これは子どもの療育に限らず、疲れ切った大人にも言えることでしょう。栗原さんはこの秋、自らの経験をもとにした発達障害についての本を出版予定だとか。当時の自分や母親、診察した医師たちの視点から語られる興味深い内容になりそうです。

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