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プチ整形ブームにコラムニストが苦言 「みんな若くなきゃいけない? 頑張って生きてれば老けるんですよ!」

2016年06月22日 16:40  キャリコネニュース

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「鼻を少し高くしたい」「シワをなくしたい」など、周囲に分からない程度の美容整形をしてみたいという人が増えています。なかでも顔にメスを入れずに行える「プチ整形」は、最近では本格的な美容整形より人気が高いとのこと。

プチ整形を行うのは若い女性だけでなく、男性や子育てが終わった中高年もおり、実は7割がシニア。しかし、その気軽さからは考えられない、深刻なトラブルに見舞われるケースがあるようです。6月21日放送の「白熱ライブ ビビット」(TBS)は、プチ整形の恐ろしいリスクを伝えていました。(文:篠原みつき)

注入剤が血管をつまらせ、皮膚の壊死や失明招く

いま問題となっているのは、「フィラー」と呼ばれる注射器で注入剤を入れるプチ整形。ヒアルロン酸や歯の成分と同じ注入剤を入れ、ほうれい線を消したり、あごや鼻の形を整えたりするそうです。

ところが、これを行った人の一部に皮膚の壊死や失明など、深刻なトラブル起きています。日本形成外科学会の細川理事長は最悪の事例について、「基本的には失明が一番ひどいと思います。壊死にしても、たくさん打てば広い範囲で壊死になることになる」と説明します。

形成外科の学術雑誌に掲載された論文には、鼻を高くするためにカルシウムハイドロキシアパタイトを含んだ注入剤を鼻根部に入れたところ、直後からふらつきや視力の低下が起こり、鼻の一部の皮膚が壊死。同時に右目の失明に至った事例が報告されました。

皮膚の壊死は、ヒアルロン酸でも起こります。鼻全体が火傷のようにまだらにただれたり、下唇のほとんどが赤黒いかさぶた状に壊死したりするなど、目を背けたくなる無残な事例写真がありました。

人間の顔には数多くの血管が存在しますが、壊死や失明は鼻に入れた注入剤が血管をふさぎ、血流を止めてしまったことで起こるそうです。聖心美容クリニックの鎌倉達郎統括院長によると、特にカルシウムハイドロキシアパタイトは、それを溶かす薬剤がないため、治療が難しい点がリスクだそうです。

施術前にデメリットを説明しないクリニックは避ける

血管が詰まっても、それを溶かす治療ができないというのは衝撃ですが、さらに一部の医師の技量の問題として「製剤だけもらって、あとは我流でやる先生もいると思う」とも指摘していました。

解説者の山本豊医師は避けた方がよいクリニックとして、「施術前にデメリットをきちんと説明しない」「金額設定があいまい」を挙げていました。

なお、プチ整形は夏休みなど長期の休暇中に行われることが多いとか。番組コメンテーターでコラムニストのLiLyさんは「美しくなりたいって誰より思ってこうなってしまうのは、けっこう笑えない事件」と漏らし、背景を次のように指摘。筆者はとても共感しました。

「こんなにプチ整形が流行ってるのは、女性がみんな美しく若くいなくちゃいけないプレッシャーがすごくて。すぐ『ババア』、すぐ『劣化した』がネットにはびこってますよね。頑張って生きてれば、老けるんですよ!」

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