子どもの「将来の夢」や、女性の「結婚したい職業」をランキングした際に必ずといっていいほど入ってくる医者だが、命を扱う職業だけあり、その実態は過酷なようだ。医師専用コミュニティサイト「MedPeer」が勤務医3370人を対象に行った調査によると、39.6%の医師が有給休暇を「ほとんど取れていない」と回答したという。
「22年間有休を取ったことがない」という医師も
「ほとんど取れない」と回答した医師からは、「仕事が忙しい」「人がいない」といった声が理由としてあげられていた。
「何やかんや制約あり、長期はだめ、変わりはどうするか…。取れないように仕組んでいる。ブラック病院」(60代 一般外科 男性)
「仕事が忙しく、なかなか有休はとれません。もっととれる体制になればと思います。同僚ともども、過労死しないか心配です」(40代 小児科 女性)
「医者になって22年、いわゆる有休はとったことがありません。ちなみに病欠も0です。夏休みのみ数回。働きすぎですかね」(40代 消化器内科 男性)
次いで多かった回答は「2~3割程度は取れている」(16.5%)、「1割程度は取れている」(14.4%)だった。しかし、その有休も学会に出席するために使われたり、当直明けに身体を休めるために使われているようだ。また、夏休みが別に設けられておらず、有休を使用して休むというケースも多い。
「学会参加と夏休みを有休として取っています。しかしこれが正しい有休の取り方なのかわかりません」(30代 総合診療 男性)
「ちょこちょこ、半日や時間休をとっている。当直明けは有休処理して帰っています。こんなことで消費するしか…」(40代 呼吸器内科 男性)
「子どもの用事や病気などでとります。計画的に旅行などで取ったりということはまずありません」(40代 小児科 女性)
政府は2020年までに有休取得率を70%にする目標を掲げているが、現在医師で7割以上取れているという人は10.6%とおよそ1割にとどまっている。日本の医療水準は高いことで知られているが、その水準を維持するには医師にもしっかり休みを取ってもらうことが必要ではないだろうか。
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