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AKB48、『45th選抜総選挙』で“第2章”へ 最終結果から読むグループの未来

2016年06月21日 16:01  リアルサウンド

リアルサウンド

AKB48『翼はいらない』(Type A)

 毎年恒例の『AKB48 45thシングル 選抜総選挙~僕たちは誰について行けばいい?~』が6月18日に開催された。


 第8回目となる今回は、HARD OFF ECOスタジアム新潟にて、45枚目シングルの選抜メンバー及びカップリングメンバー80名を5グループからファンの投票によって決定。開票結果は、指原莉乃(HKT48)が、24万3,011票と昨年の自身の得票数19万4094票から約5万票を増やし、選抜総選挙史上初となる連覇を達成。2位には17万5,613票を獲得した渡辺麻友(AKB48)がランクインし、16位のにゃんにゃん仮面こと小嶋陽菜が卒業を発表するなどトピックの多い回となった。


(参考:AKB48『選抜総選挙』に与える影響は? 『SHOWROOM』合同配信企画が生み出す“熱量”


 今回行なわれた総選挙の順位やスピーチからわかった、グループの現状とは。AKB48グループに詳しく、リアルサウンドでもアイドル系の記事を多数執筆するライターの渡辺彰浩氏は「AKB48が本格的に“第2章”に入ったのでは」と指摘する。


「今年の総選挙は前総監督の高橋みなみさんが卒業したことや、AKB48が11年目を迎えたこともあってか、メンバーのスピーチからも『第2章』や『次の世代』といった言葉が飛び出すなど、グループが次のフェーズへ移行したことが感じられました。得票数は全体的に上昇傾向にあり、1位の指原さんは過去最多の票数を獲得していますが、世間的には過去の総選挙ほど盛り上がっておらず、それが渡辺麻友さんの『これからこの先ずっと同じ景色を見続けられるとは限りません』や、指原さんの『国民的アイドルとまた呼ばれるようなグループになれるよう』という発言にも表れていたように思います」


 また、上位にランクインした新世代メンバーの台頭などから、今後のグループ展開をこう予測する。


「“神7”の顔ぶれは卒業メンバー以外例年と変わらないことから、しばらく大きな変動は起こらないと思われます。ただ、若い世代では、最新シングル『翼はいらない』でセンターを務め、昨年の44位からジャンプアップした向井地美音さんや、2年連続の選抜入りを果たした武藤十夢さんのほかに、”次期総監督”といわれている高橋朱里さんや岡田奈々さん、惜しくもアンダーガールズとなってしまった小嶋真子さん、込山榛香さんといった“チーム4”の面々が台頭してきました。現段階で姉妹グループのエースと並べるほど突出した人はいないかもしれませんが、彼女たちが第2章のAKB48を背負う存在として、グループが再び覇権を握る原動力となっていくことは間違いないでしょう。今回の選抜抜擢を機にメディア露出は増えると思うので、どこまで爪痕を残せるかに注目したいですね」


 そして、今回から新たな施策として用意されていた『AKB48 45thシングル 選抜総選挙 × SHOWROOM』について、同氏は下記のように分析した。


「同企画の最終的なランキングで1位となった中井りかさんは、もともと握手会などの接触イベントで名をあげたメンバーです。彼女は動画配信のなかで一人一人のコメントを拾って“バーチャル握手会”のような会話を行ない、人気を獲得しました。総選挙はファンがイベントへ向けて事前に準備しているため、今回の人気が順位に直接影響するわけではないですが、来年以降へ向けて大きな転換点になったことでしょう。今回の企画は、ほかのSNSよりもダイレクトに本人の魅力がわかるツールであり、グループ内における次の注目メンバーを見本市的に眺めることのできるイベントなので、握手会や劇場公演などの集客にも影響しそうですし、メンバーは票数伸ばしというよりも、自分の名前を売ること、面白いトークや企画でファンを増やすことに楽しさを覚えているように見えました。継続的に取り組むことでよりその魅力が伝わるツールだと思うので、来年以降の総選挙でも導入されてほしいです」


 例年とは違ったムードの盛り上がりで、指原の圧倒的な実力やグループの世代交代を感じさせた今年の『選抜総選挙』。今回の順位を機に大躍進を遂げるメンバーは登場するのか。楽しみに見守りたい。


(文=中村拓海)