6月から経団連加盟企業の面接選考が始まった。とはいえ、解禁前から学生に接触し、1日に内定を出したというケースも多く、ツイッターでは内定報告が相次いでいる。
売り手市場ともいわれている就活戦線だが、内定が取れない就活生にとってその辛さは変わりない。6月18日、ある就活生がはてな匿名ダイアリーに「就活のせいで自殺するかもしれません」と投稿した。
「自分は社会から必要ない、とただ烙印を押される作業」
投稿者は、周りの就活生が内定を取り、夏に向けて遊びの計画を立てている中、自身は内定がないため、暑い中スーツを着て「今日もどこか募集していないか」探しまわる日々を送っているという。
解禁前は企業から「あなたはうちに合っているから来てほしい」と言われることもあり、「働く自分の姿にワクワクしていました」と振り返る。だが、いざ始まると内定が出されるのは「嘘をついた学生だけ」だった。
「選考を受けても、自分は社会から必要ない、とただ烙印を押される作業のような気がしました」
ノイローゼになり、心療内科で薬を貰うようにもなった。「覚えきれないくらい」企業を受けたものの、内定が出ないため、「もう頑張るのが怖いです」と言う。「本当に死んでしまいたいです。もうどうせ将来は暗いんですから」と心情を吐露し、こう訴えかけた。
「なんでこんなに苦しい就職活動を作ったのですか。なんでこんなに翻弄されなければならないのですか。就職活動で唯一知れたことは、私は弱い人間だったと言うことです。こんな弱い人間は、やっぱり社会にはいらないんだな、と言うことだけです。苦しいです。助けてください」
「気持はわかるがとりあえず生き延びろ」「世間体は気にしないほうがいい」
実際、就職活動を理由に自ら命を絶ってしまう学生も少なからずいる。警察庁の統計によると、2011年~2015年にかけて「就職失敗」を理由に自殺した大学生は158人。売り手市場といわれた2016卒学生が主に活動を行った2015年でも、17人が死を選んでいる。
近年、問題になっている「就活自殺」だけに、800件を超すはてなブックマークがついた。その多くが、「他にも道はいくつかあるから大丈夫」といった温かい声だ。
「気持はわかるがとりあえず生き延びろ。それに比べりゃ就職なんかどうでもいいw」
「世間体は気にしないほうがいい。フリーターでもいい、ぐらいの気持ちで。僕は就活失敗してフリーターになったけど今は正社員やってます」
投稿者と同じような体験を語る人もいる。就活で失敗し、「もう自分は世界から必要とされてない人間だ、このまま春になったらきっと死ぬと思ってた」という人は、卒業後、新卒中途の関係ない中小企業に就職が決まり、「大企業やらベンチャーやら経て今は幸せに働いてる」そうだ。
「大丈夫だ、意外と死なない。職を得る事への渇望や怨みはいつか力になる。生き延びる事を願う」
他にも、「アルバイトから社員登用され、今は本社で管理職をやっています」という男性も。最初の就活が上手くいかなくても結構何とかなるということなのだろう。
「学生からの知名度は低いけど優良企業はたくさんある」
投稿者に視野を広げるように呼びかける声もあった。新卒採用をやっていない企業にも優良企業はたくさんあるという意見だ。
「新卒募集してる会社だけが会社ではない。業種によっては新卒という概念自体がないものもたくさんある」
「学生からの知名度は低いけど、よい会社はたくさんあります。非上場だけど高給な会社、NPO、社団法人、勤務地が都心でない会社など」
ただ、多くの就活生はナビサイトを使って大手企業を目指すのが当たり前になっている風潮もある。多様な生き方を認める社会にしていくためには、まずその辺りを見直していく必要があるだろう。
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