ラマダン(断食月)の期間中にはテロが発生する可能性が高いことから、世界各地でイスラム過激派組織の動きに対する警戒感が強まっている。そんな中、ベルギーでは当局がテロ対策として大規模捜索を実施し、効果を上げたことを発表した。『washingtonpost.com』ほかが大きく伝えている
ベルギー検察当局は18日、ブリュッセルとその周辺となる16の自治体で実施した
テロ対策の大規模捜索を実施した結果、12名の身柄を拘束したと発表した。「差し迫ったテロ計画があることから即座の介入となった」と表現するなど、非常に緊迫したものであったようだ。
捜索は具体的に数十の家屋と152の車庫で実施された。取り調べの対象となったのは40名。うち12名を「武器や爆弾などは発見できなかったものの、きわめて迅速に対応する必要があった」として身柄を拘束した。その中で、いずれもベルギー国籍でイスラム過激派組織への強い傾倒を示し、テロの実行を予定していたSamir C(27)、Moustapha B(40)そしてJawad B(29)の3名が起訴の対象となるもよう。現在、厳しい取り調べが行われている。
昨年11月に発生した「パリ同時多発テロ事件」ではサッカー試合中の国立競技場も標的となったが、今年3月22日にベルギー・ブリュッセルの空港や地下鉄で発生し、30名以上が犠牲となった爆弾テロ事件も、計画では「サッカーの大会で」となっていた。ベルギーでは18日にベルギー代表戦が行われたほか、フランスで開催されている「サッカー欧州選手権」もターゲットである可能性が高いとし、出場チーム、関係者、観戦者などの間に緊張が走っている。また当局は、試合会場ばかりかサッカーファンが集まるイベント、パーティなどであるとしている。
なお当局は17日、3月22日の爆弾テロ事件に関与したベルギー国籍のYoussef E.A.という30歳の男を逮捕している。その事件の容疑者の逮捕としては8人目になるという。
出典:https://www.washingtonpost.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)