FIA世界耐久選手権(WEC)のLMP1にハイブリッド非搭載車を投入しているプライベーターチームは、ワークスチームとのギャップを縮めるべく、2018年からDRSの使用が許される可能性が浮上した。
ル・マン24時間耐久レースを主宰するフランス西部自動車クラブ(ACO)は、現地16日に行われたカンファレンスで、WECのLMP1をプライベーターにとってより魅力的なものとするためのプランを明らかにした。
そのなかで、18年シーズンからF1やドイツツーリングカー選手権(DTM)で使用されているDRSの導入を検討していることを発表。導入の目的については関係者から合意が得られており、現在は技術的分野や規則の面で議論が進められているという。
また、DRSの導入に先駆け、来季からプライベーターのLMP1はリアウイングが大型化され、フロントボディーワークも現行のものより10mm拡大される。マシンの最低重量も現行の858kgから28kg減の830kgとされるほか、エンジンの年間使用数制限も撤廃されることとなった。
現在、ふたつ取り付けられている燃料流量計もコスト削減のためひとつとされ、トルクメーターについても「プライベーターには不必要なもの」として、取り外される。
加えて、安全上の観点からワークスチームのハイブリッド搭載車はフロント・スプリッターの取り付け位置が変更され、リアディフューザーのサイズが50mmに削減されるなど、空力面の規則が見直される。これによりワークスチームとプライベートチームの差は、さらに短縮されることとなる。
ACOのスポーティングマネージャーを務めるビンセント・ボーメニルは「これらのルール変更によって、LMP1で重要なプライベーターチームの活躍を後押しできる」と語る。
「2011年のル・マンでは、ワークスチームとプライベーターチームのギャップは1周あたり2.5秒だった。それが今年は7.5秒まで広がっている」
「ACOとマニュファクチャラーは、このギャップを埋めることで合意した。我々はワークスマシンのパフォーマンスを下げると同時に、プライベーターマシンのパフォーマンスを向上させたいんだ」
今年のル・マン24時間のLMP1に参戦しているプライベーターは、レベリオン・レーシングの2台とバイコレス・レーシングチームの計3台のみとなっている。