ザウバーは今後2~3戦のうちどこかで、新しいフロントウイングやリアウイングなど、今季最初のアップデートの投入を目指しているという。
今年、ザウバーは資金繰りの難しい状況に陥っており、ここまで3カ月連続でスタッフの給与が遅配になっている。また、ファクトリーでアップデート部品のデザインはされているものの、それらを製作する資金がなく、結果として彼らのマシンはプレシーズンテストの時点からほとんど変わっていない。
チームボスのモニシャ・カルテンボーンは、新たなスポンサー候補と交渉中であると語っており、ここへ来て交渉に多少の進展があったとも言われている。
ドライバーのマーカス・エリクソンは、英AUTOSPORTに対し「僕らの期待どおりに進行すれば、2~3戦のうちにアップデートが投入できるかもしれない」と述べた。
「ぜひそうなってほしいね。ドライバーとして、新しいパーツが手に入るというだけではなく、チームのみんなのモチベーションも上がるからだ。そうして精神的なエネルギーを高めることが、このチームには必要だと思うし、僕もアップデートを楽しみにしている」
エリクソンは、ドライバビリティの向上を目指したというアップデートに、どこまで期待できるかについては慎重な態度を示しながら、ファクトリーでの実験データを見る限り、希望は持てると語った。
「ファクトリーでは良さそうに思えても、どのくらい効果があるかは実際に走らせてみるまでわからない。数字の上では、かなり期待できそうなんだけどね。まあ、世界がひっくり返るほどの劇的な効果はないだろうけど、少しでもポイント獲得に近づければいいと思っている」
「カナダで、ハースにかなり近いところを走れたのには勇気づけられたし、ポジティブなことと考えていいと思う。何しろ僕らのクルマは、まだ一度もアップデートされていないのだから」
チームの雰囲気と財政状況についての質問に、エリクソンはこう答えた。「モニシャを始めとして、みんなが何とか問題を解決しようと懸命に努力している。ここまで、ずいぶん厳しい感じだったし、いまも厳しいことに変わりはない。だけど、僕の理解しているところでは、ここ数カ月の状況と比べると見通しは明るくなってきたようだ」